(ブログ「彦左の正眼」内の写真等一切のコンテンツの転用を禁じます)
泊ってみたい宿=摘み草料理の美山荘(2013.10.23)
東山区祇園町南側504 電話:075-525-4466
祇園祭の後祭を楽しんだ翌日、八坂神社の南楼門から100m、料亭「祇園畑中」に隣接するイタリアン 「リストランテ キメラ(CHIMERA」を初めて訪ねた。
美山荘の若女将に以前、ここで結婚記念日に食事をしてとてもよかったと教えられていた。
京料理もよいが、たまには違った料理もと、今回は、家内がこのキメラを提案した。
思い立ったが吉日と6月の頭に電話を入れたが、予約はひと月前からということで、6月の末にリザーブし直して伺った。
当夜は一万円のコースをお願いしていたが、料理の内容は当然として、食事の間中サーブされたスタッフの対応も、実は最後にお名刺をいただき支配人の小池聡貴氏であったのだが、申し分ないもので、一見の客であるにも関わらず細々とした当方の質問にも丁寧に答えて下さり、二人とも大満足の夜を過ごすことができた。
なるほど美山荘の若女将ご贔屓のお店だけはあると感心したものである。
それでは料理の紹介に入っていこう。ディナーの内容は写真を見ていただけると、その味も伝わってくるのではないかと思う。
使用される器もそれぞれこだわりをもったもので、料理にかなったなかなかに客の目を楽しませてくれる味わい深いものであった。
また、料理のサーブ、ワインのサーブも非常にスマートで、われわれは食事がスタートしてものの10分もしたころには、キメラの常連客のような気分で口にナイフを運び、ワインを喉に流し込んでいた。
料理の内容は次の通りだが、初めてみる食材もあって、根掘り葉掘り問いただすなど、まぁ、退屈しないとてもおしゃれな時間を過ごした。
スターターがなんと三つに輪切りにされた鮎を盛りつけた鮎のコンフィ。
おどり串を打たれた鮎の塩焼きになれたわたしどもにキメラのこのプレゼンテーションは目新しく、また、小骨の多い鮎のコンフィという調理法も骨ごと食べられるなど目新しさ満点の一品である。
オードブルも多彩で楽しい。オマールエビやトウモロコシのジェラート、生ハム。
生ハムがおいしいというと、「本日の生ハムはこれですよ」とテーブルにその塊を持ってきて目でも楽しませてくれる。
そして、次なるものが初めて食べる逸品である。イタリアのキノコの王様といわれる“ポルチーニ”と温度卵、芽キャベツにキノコから作り出した泡(フォンデュ・ソースというのだそうだ)をトッピングしたすぐれもの。
周りを囲んでいるのが“ポルチーニ”なるキノコである。一見、お肉のように見えた。キャベツのなかにとろりとした温度卵が隠れている。(下の写真、クリックで拡大)
そして、ポルチーニって、どんな茸なのと訊いたところ、早速、お持ちいただいたのが次なる写真。
なるほど松茸ではないが、果肉が分厚く、いかにもおいしそう。
続いてパスタが二種類サーブされるが、事前に量の確認がされた。そこで、われわれは当然、少な目でよいと頼む。実際に家内はその少量のパスタも失礼して少し残すこととなった。
一品目がバジリコ味のパスタに京の夏を代表する食材・炙り活鱧と九条葱をあしらい、イタリアの唐墨(からすみ)をすりおろし漆黒の容器に粉雪のように舞わせる。
その様はその色彩効果は秀逸で一幅の絵画を見るようでもある。料理とは味のみにあらず、色彩、器、料理への寸言など総体的な芸術であることをまさに実感、視感したひと時である。
二品目がバジリコ豚のベーコンをトッピングしたトランペットキノコ入りのチーズパスタである。
二品目はテーブル脇でガラスの器へ取り分けしてくれるが、このパフォーマンスもなかなか見物で、大切な人とのディナーの雰囲気を盛り上げるのには最高であった。
写真は実はタイミングが遅れてしまい、チーズから火があがった一瞬をとらえることができず何の変哲もないものとなった。
鮮やかな手さばきを披露された小池さんにはまことに申し訳ない次第とあいなった。家内に冷やかされることといったら・・・。でも、このチーズの器?大きかった。スマフォを横に置いて、ちょっと大きさを表現しました。
そんな笑いのなかでディナーもいよいよメイン料理に。
鴨肉のローストである。亀岡で飼育されたスコットランド種の鴨ということであった。
鴨の上に森永のキャラメルのように乗っているのが、フォアグラである。まぁ、なんとも贅沢な。南瓜のスライスが添えられているが、これ、“鈴かぼちゃ”というのだそうだ。生のままで食べるので、サクッとした食感でなるほど夏向きの食材である。
ディナーもさて、残り少なに、デザートへと到着。
わたしがココナツミルクにマンゴとパッションフルーツ。
家内はオーソドックスにマスカットにバニラアイスとラズベリーシャーベット。
これでようやく終了と思いきや、とどめのデザートがサプライズで供された。次なる写真である。
いやはや、プリティー・・・な〆である。
旅人にとって、祇園祭に京料理ももちろんよいが、八坂神社の隣にあるキメラでイタリアンというのもこれはこれで祇園祭の趣もあった。このキメラ、一階にはグランドピアノが置かれ、ミニコンサートも開催されている。
また、その横にはウォークイン・ワインセラーがドンと構えており、エントランスからして洛外の夷人はある意味、窮屈でもある京都らしさから開放される。
祇園祭の夜、RISTORANTE ITALIANO CHIMERA キメラで過ごした時間、
ほんによろしゅうおしたへ。いちど、おたずねやす・・・
なお、今後、当ブログの写真の無断転用を禁じます。最近、マナー違反のブロガーが多いため無粋な注意書きをせざるを得ない状況となりました。