2013年の車山のニッコウキスゲはここ30、40年のなかでまさに当たり年であると、富士見台の茶屋の主人はいう。
私たちも車山を訪ね始めて20余年が経つが、これほどニッコウキスゲが咲き誇っているのを目にしたのは初めてである。
ここ10年ほどは鹿害で花芽を食い荒らされ、満足に開花を迎えることが難しく、寂しい高原の夏が続いたものだ。
そうした事態を受けて、行政の協力も仰ぎ、ここ数年で電気柵を設置し、ニッコウキスゲの群生地を囲い込み鹿の侵入を防ぐ対策を打った。
下の写真で電気柵を設けない左側はほぼニッコウキスゲはゼロです。芽が食い尽くされてしまっています。
それでも柵を掻(か)い潜ったり、飛び越えて来る鹿を、地元の方々が自主的に夜間見回りを続け、その被害をできるだけ少なくしてきたという。
そして、2013年夏、この複雑な気候も寄与したのだろう、ここ3、40年のなかで、最高のニッコウキスゲの開花に辿り着いたという。
能書きはこれだけにして、ニッコウキスゲがよく似合う高原の夏を、じっくりと写真で楽しんでいただきたい。
私たちは7月16、17日の二日にわたって車山へ出かけたが、特に天気の良かった17日には、夏空とニッコウキスゲの黄色のコントラストを思う存分に楽しんだ。
電気柵がせっかくの景観を邪魔して、少々、景観を損ねることは我慢せざるを得ないが、富士見台は大外を電気柵が囲い、見物客はその柵内の一本道から両脇に咲き誇るニッコウキスゲを見ることが出来るため、その迫力は群を抜く形となっている。
このニッコウキスゲの盛りはあと1週間ほどと思われる。お時間のある方は、ぜひ、お出かけになることをお勧めしたい。近年、稀に見る素晴らしい景観であること請け合いである。