突然のことで、まだ、詳細は分からぬが、民主党政府がまた訳の分からぬことを言い出した。

 

 来年度予算の概算要求の策定が急がれる時期がやってきたが、今回の2011年度予算こそ政権交代後初めての民主党政府による本格的な予算策定である。民主党が掲げたマニフェストに基づき、民主党政府が描く国家像を具体的に国民の前に提示して見せるのが、何あろう、2011年度予算である。

 

それが、各省庁予算を一律1割削減して捻出される「1兆円を相当程度超える」特別枠を「元気な日本復活特別枠」と命名し、その配分を公開で行う「政策コンテスト」で決めようというのである。

 

要は、参院選対策で行なった「子ども手当」や「公立高校無償化」などのバラマキ後の財源の手当てや、依然、厳しい歳入状況に直面し、残るマニフェスト項目の実現が難しい状況となった。そのため、2兆円足らずの金を何とか捻出する。国がメニューを提示するので、どうか国民の皆さん、お好きなものをお選びください、と言っているのである。国民の皆さんのご意見を徴し、あなた好みの予算を作りましょうと、言っているのである。

 

この「政策コンテスト」なるものには、国民との約束であったマニフェスト達成が「不可能と分かってしまう」来年度予算に対する、国民からの厳しい批判をかわそうとする狙い、姑息な思惑が透けて見えるのである。

 

およそ責任ある政権、政府・与党が行なうことではない。ましてや、まともな大人がやること、考えることではない。

 

「こんな予算なんて」と、国民が文句を言っても、予算づくりの過程での「公開と透明性」を盾に、「国民の皆さんと一緒になって作った予算ですから」と、しゃあしゃあと言い逃れをするつもりなのだ。

 

菅首相が就任会見で強く国民に訴えた「強い経済、強い財政、強い社会保障」という具体的な中身・姿を、それこそ国民に見せてくれるのが、来年度予算のはずである。政権与党が語る言葉、国家像を具体的な数字で示すのが予算策定と言う行為であり、それこそが政治の本質である。権力を手にした政権の当たり前の役割である。

 

然るに、「皆さんと一緒に」などと、責任逃れというか、税金の配分を決めるため発生したはずの「議会」の存在そのものも否定するに等しい愚か過ぎる行為である。

 

残念ながら、民主党政府は統治能力を欠いた、幼児性脳の政権であると言わざるをえない。

 

「政策コンテスト」が新しい手法だって? 目くらましの「事業仕分け」が少し国民の喝采を浴びたからって、「人気取り」という同様の幼児的な発想で、政治をもてあそび、国民を愚弄するのはもう止めにして欲しい。「政策コンテスト」は政権放棄に等しい行為なのである。

 

もう、ここに至っては、今度こそ党内議論を尽くした実現可能な国家像を打ち出して、堂々と、総選挙を行ない、もう一度、国民に政権選択を迫るべきである。