台東区浅草1-38-10  03-3844-1111


浅草に行くたびに、一度は“大黒屋”のごま油で揚げたあの真っ黒な天麩羅をたべてみたいと思いつつ、何十年が過ぎた。


この度、ようやくその念願の大黒屋の天丼にありついた。

1・大黒屋天麩羅の玄関
大黒屋入口

前掲の平成中村座の観劇に際し、長年の懸案を解決すべくここでランチを摂(と)ろうと考えたのである。浅草寺でまずしっかりお参りをし、大事な御朱印をもらってから、ちょっと遅めのお昼になったがと、伝法院通りにある老舗大黒屋を訪れた。

2・伝法院通り
伝法院通り西側

店へ近づくと、え〜っ・・・うそっ!! 午後1時40分。昼食の時間は過ぎていると思ったのに・・・この行列は何だぁ〜

3・行列が折り曲がっています
雨のそぼ降るなか、待っていますね・・・

数えると20数名。伝法院通りから店の角を曲がって、行列も折れ曲がっている。どれほど待つのだろう。この日は雨が降ったり止んだりの生憎のお天気。


ほかにしようか、でも今回、食べないともう機会はないかも・・・などと迷った末に、頑張ってみようと行列がとても苦手なわれら夫婦が、小雨降るなか気合を入れて辛抱したこと20数分。ようやく店内へと招じ入れられる。

店内は外人さんだらけ
向こうの三組、全員、外人さんでした

メニューを見て、周囲のお客を観察して、オーダーした。

名物は海老4本がのる海老天丼(1950円)とはわかっていたが、そのボリューム感を目にすると、いかに食いしん坊のわたしでも尻込みする。


結局、二人とも仲良く、えび1本、きす1本、かき揚げ1本の天丼(1550円)を注文した。待つこと15分。どんぶりが目の前におかれた。

5・丼ぶりからはみ出しています

はみだしている・・・天麩羅が・・・おそるおそる、蓋をあけると・・・

6・すごいボリューム
思ったほど、真っ黒ではありませんでした

お〜っ、一番、少ないイメージで頼んだ丼ぶりでこれですか?いや、大変なランチです。早速、箸をつけるが、上手に食べないと天麩羅がこぼれてしまう。そして、やっと、白いご飯が見えてきた。

7・よやくご飯が見えてきた・・・
なんか、露天掘りをやってるみたいでした

何とまぁ〜、これは高齢化社会に貢献するわれわれ夫婦には、さすがに荷の重いランチである。量の問題に加えて、ごま油がやはり、この年になるとキツイ。少々の量であればアクセントとなって食欲を誘うのだが、ここまでくるともうお手上げ感いっぱいでアップアップ。


最後は大黒屋さんに申し訳なかったが、少し、丼ぶりに残してしまった。でも、念願の大黒屋天麩羅を口にできて、浅草へ来てはいつも何か忘れ物をしたような気分になっていたことも、これで終了となるに違いない。


やはり、大黒屋は学生時代に行くべきお店なのだろうが、その時は、ランチにこんなお金使えないし、なかなか世の中、うまくいかないものだと語り合った老夫婦でありました。


それにしても、この“大黒屋天麩羅”、お客の8割は外人さん。海外の旅行ガイドに多分、浅草寺と大黒屋はセットでのっかっているのかもねと、思った次第。


そして、家内がひと言。「これが日本の天麩羅料理と思われるのも、ちょっと複雑ね」

なるほど、カウンターに陣取って好きなネタを選んで目の前で揚げてもらう・・・そんな粋な“お天ぷら”も試してほしいものと感じたところでもあった。


でも、おいしかったですよ、大黒屋さん。ますますの高齢化社会に向けて、半ドンみたいなメニューってどうでしょうか。これだと、もう一回、行くことができるかな。年寄りの愚痴でございました。失礼!!


それと、やはり、浅草で大黒屋天麩羅、これって話のタネにはぜったいなりますよ・・・