甲府を過ぎたあたり、中央高速を走っていて、目をよぎる新緑の燃える山肌に薄桃色の雲がところどころに浮かび上がっていた。


4月24日。甲府や信州の桜はまだ満開の時期にあるようだと、いつもの諏訪南ICを通り過ごし、諏訪ICで降りることにした。

いまを盛り オブジェと満開の桜
諏訪湖畔の桜は今が盛り

久しぶりに諏訪湖を廻ってみようということになった。家内が言うのには、このぶんだと湖畔の桜や花梨の花が美しいのではないかというのである。


駄目元で湖畔沿いの道をゆくと、諏訪湖南岸沿い、天竜川の流出口である釜口水門の辺りの公園の桜は、狙い通り、今を盛りに満開であった。

釜口水門北岸から桜並木を見る
釜口水門(天竜川流出部)南岸より桜並木を見る

穏やかな湖面に春のそよ風がわたり、まろやかな波紋がしずかに広がってゆく・・・。心安らぐ春の情景である。

彫刻と桜、遠くに釜口水門
彫刻と桜と遠くに釜口水門

諏訪湖畔にこんなにも桜の樹々が育っていたことを気づくことなくこれまできた。 

湖畔の満開の桜
諏訪湖畔の桜並木

真っ青な空と広々とした湖、遠くに残雪を被る山脈・・・満開の桜の下にひそむ雄渾の春である。

諏訪湖の満開の桜に遠くに八ヶ岳の頂きが

信州の遅い春。


信州の春はゆっくりやってくるが、一挙に覆いかぶさるようにやって来る。

その輝く時間は短いのかも知れないが、だからこそ、この“時”がことのほか絢爛で、愛おしい。