“青梅”という地名は、この地にある古刹・金剛寺に「平将門誓いの梅」と呼ばれる梅樹があるが、その実が秋になっても青々として落ちないということから名づけられたのだといわれている。

梅香山大聖院
金剛寺から分株された梅の植わる”梅香山・大聖院”

その青梅の“吉野梅郷梅まつり”に行ったのが、2年まえの2012年4月2日。その日、あまりに天気が良かったので、急きょドライブもかねて観梅の小旅となったものである。

吉野梅郷提灯
梅まつりの提灯が道路沿いに吊られている
梅の蕾
白梅の蕾
紅梅
紅梅

われわれは生憎、金剛寺に寄ることはなかったが、吉野梅郷に“梅香山・大聖院”という寺院があり、そこに金剛寺から分株された梅の樹の二代目が植わっている。その一代目がここ吉野梅郷の親木だという。

親木の梅
吉野梅郷の元祖の親木

その親木から育った梅の樹の末裔が現在、青梅市の吉野梅郷として、長年、人々の目を愉しませてくれている。

この景色、早く戻ってほしい
吉野梅郷の梅の公園を一望

ところが、2010年、梅の木を弱らせる「プラムポックスウイルス」(PPV)への感染が初めて観察された。アブラムシによって周辺の梅樹が次々にその菌にやられてゆき、死滅してゆくという恐ろしい病気である。


われわれが「青梅市梅の公園」を訪れたのは、その感染が認められて2年後ということになる。

ミツマタ(黄) ミツマタ
ミツマタが吉野郷の道沿いに植わっていた

園内ではすでにウイルスにやられた梅も多く、花をつけた梅の木もその半分以上の枝が白っぽい枯枝になっていたのが痛々しくて印象的だった。

PPVで枯枝になった紅梅
プラムポックスウイルス(PPV)に侵された紅梅

そのため、ブログへのアップをちょっと控えようと思ったことをこの伐採のニュースで思い出したのである。


そこで、記録も兼ね青梅の梅園をわれわれの記憶にとどめる意味も籠めてここに、写真を掲載する。

梅林山・天澤院、天満宮より吉野梅郷を望む
梅林山・天澤院、天満宮より吉野梅郷を一望

PPVの「感染拡大阻止」と「早期根絶」には梅の木の全伐採が必要であり、「青梅市梅の里再生計画」によれば、新しい青梅の梅を鑑賞できるまでには8年の月日を要するという。

梅の公園の紅白梅に松
梅の公園の紅白梅と松

平成33年度が再生計画の終了年度ということで、われわれの目に触れるのはその翌年の平成34年(2022年)。

青空に梅
この光景が帰ってくることを願う

この齢になると、この8年がものすごく長く感じられるが、その日まで何とか健康を維持し、家内共々、青梅の観梅を愉しみに行きたいものと願っている。