“日本橋OIKAWA”で季節感あふれる粋なランチはいかが?(2015.4.20)

中央区日本橋2-15-8

03-3272-0757


OIKAWA・MAP

江戸橋一丁目交差点を南へ昭和通りの一本裏筋に、京料理店とは思えぬロゴを掲げる“OIKAWA”はある。 

”OIKAWA”と読みます
OIKAWAと読みます

20127月開業のまだ新しいお店である。京料理のたん熊で修業されたという、まだまだ若い笈川智臣(オイカワ・トモオミ)さんが店主の京風割烹である。

OIKAWA

玄関口に、 “蘇民将来子孫家門”の護符が注連縄に吊られていたのが印象的である。早速に、パチリ!!


玄関に”蘇民将来子孫家門”の護符が吊られている
玄関には”蘇民将来子孫家門”の護符と脇に三方に載せられた飾付がある

引き戸を開け入店すると、わたしがグルメの極意につき常々ご指南いただいておる女性陣お三方が、“どうして一番暇なご仁が一番遅いの?”ってな顔をなさって、待ちかまえておりました。


何を隠そう、“OIKAWA”はそのお一人が紹介してくれたもので、わたしは久しぶりのご新規のお店ということで楽しみにしていたのだが、方向音痴のうえ、お店の外観など写真に収めたりと忙しく、遅参となった次第。


カウンター下にセットされたLEDや壁面に飾られた掛花入れを引き立てる仄明るい光の演出が、おだやかで、奥ゆかしい店内の雰囲気を造り出している。

掛花入れも清楚
間接照明が美しい掛花入れ

カウンター席が6席、入口左手に8人のテーブル席の和室があるのみの、まさに瀟洒で粋な店づくりである。

お座敷
8人まで入れるテーブル式の御座敷です

さて、着座と同時にビールが注文されると、先付けが目の前に手際良くあらわれた。小鉢も和洋の取り合わせで、なかなかお洒落である。

胡麻豆腐キャビア添え  筍と粟麩と烏賊の木の芽和え
ごま豆腐のキャビア添え     筍と粟麩と烏賊の木の芽和え

次にエンドウ豆のすり流しに昆布を粉にして寒天でまとめた・・・だったっけ・・・、そんな手の込んだ具材と白身魚とが入った・・・スープ・・・

エンドウ豆のすり流し、柚子の花・・・

お造りは淡路島産の鱧と鳥貝。鱧につける梅肉も京都から取り寄せたという“こだわり”の一品でした。

お造り・鱧と鳥貝
鱧と鳥貝のお造り

湯引きの鱧はあまり好みでないわたしが、“これ、おいしい!”と思ったのだから、笈川さんの腕は半端じゃないのでしょう。それと俎板へ叩きつけてから包丁でさばく鳥貝も甘くておいしかった。


それからスッポンの茶碗蒸し。

スッポンの茶碗蒸し
スッポン、見えますよね

柚子を効かせた山椒味噌でいただく京都牛・・・

京都牛
京都牛だそうです

その一品、一品に舌鼓を打ちながら、食通の女性陣は笈川氏との料理談義に花を咲かせ、いたってご満足の態。その笑顔が一段と美しさを増していたのは、美味なお料理の所為(セイ)か、それともイケメンの所為か・・・、いや、いらぬ詮索でありました m(__)m


お料理も終盤。箸休めの九種盛が出て参りました。

箸休め・九種盛

わたし目はこれを見るや、俄然、お酒の注文に力(リキ)が入ったのでした。


ビールのあとは店主お薦めの”船中八策”を
最初に薦められた”船中八策”

大好きなちりめん山椒やふき味噌など、など・・・


日本酒もお料理に合わせて笈川氏にお任せしたが、“船中八策”にはじまり“有加藤(アリカトウ)”、“満寿泉”など・・・、おいしくいただきました。

大吟醸・満寿泉
大吟醸の”萬寿泉”

女性陣が、“OIKAWA”自慢の“長野県産・幻の米”を 、土鍋で炊いたご飯を“おいしい〜”と食べているのを横目で見ながら、わたしはまだ九種盛のツマミで、黙然と大吟醸を口に運んでおりました。

長野県産・幻の米
これが”長野県産・幻の米”です

その御蔭で、とうとうこの温かな炊きたての“幻の米”を口にすることなく、店をあとにすることとなったのでした。憎っくき“満寿泉”っていうのは、お門違いというものでした(その“幻の米”はちりめん入りのお握りにしていただけたので、帰宅後、家内と半ぶんこして食べました。冷えても粒が立っていておいしかったですよ!)。


そして、宴もとうとう最後となるのだが、その最後の最後に、この“OIKAWA”、サプライズが待っていました。


デザートに小豆とバリーの炭酸割りが出てきて・・・


デザート・小豆とベリーの炭酸割り

〆に、お抹茶と“京菓子司・彦九郎”の干菓子が供されたのです。


京菓子司彦九郎
人形町・彦九郎

そのお茶請けを目にした途端、これまでお料理にこれ素敵とか、わ〜っとか、きれいとか、さんざん感嘆の声をあげてきた客人(マロウド)たちは、止めを刺されたかのようにただ呻き声を漏らすしかない状態に陥らされるのである。

人形町京菓子司・彦九郎の干菓子
つなぎ団子のお皿に人形町京菓子司・彦九郎の干菓子がアレンジされていた

お皿の上にならぶその干菓子は、まさに、“ ○|||| ” という形状をしていたのです。


まさに“OIKAWA”のロゴではありませんか。しかも彩りまでそろえたお持て成しであり、牛頭天王(ゴズテンノウ)を持て成した蘇民将来(ソミンショウライ)の清らかな心映えがこちらの心に沁み込んでくるような、そんな清々しい時間がこの小さな空間に流れたのでありました。


こうして、もうみんな興奮覚めやらぬなか、笈川ご夫婦のお見送りを受け、牛頭天王ならぬ、グズ天王のわたしは家内の待つ龍宮城へ向けて旅立って行ったのでした・・・


店頭には蘇民将来が牛頭天王をもてなした“粟”飯の葉柄が一輪差しに活けられておりました。

粟の茎柄が門前に飾付されていた
手前が”粟(アワ)”の葉柄です

帰り際に笈川氏からこれは“粟”ですよと教えられた。そして、“OIKAWA”というお店が、蘇民将来のやさしい心根に沿った本物のお持て成しを目指すお店であることを確信したのである。


そして、笈川氏が夏にはこの入口に茅の輪を置きたいんですよねと言われた。いわずと知れた、牛頭天王が蘇民将来の子孫たちに“流行病に罹らぬように腰に着けよ”と教えた“茅の輪”のことである。


日本橋・“OIKAWA”へゆけば、美味しいお料理とあたたかなお持て成しが待っている。そして、無病息災にも与れる。こんなお店・・・って、ほ〜っておけませんよねぇ〜