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立川市曙町1丁目28−5
042-524-0512
以前から紹介しようとして、写真がファイルのどこかに埋没し見つからなかったり、いい写真が撮れていなかったり、突然、無庵をキャンセルせざるを得なかったりと、アップのできないまま、月日がいたずらに経ってしまった。
そしてようやく、「本日、ここに、蕎麦懐石“無庵”が晴れて何れも様のお目もじの栄に浴することが叶うことと相成りました次第にござりまする、チャチャン、チャンチャン・・・」ってなことで、午後5時の開店と同時に店内に入り、まだ客も居ぬ店内で写真を取らせてもらい、ご一緒いただく淑女お二人の到着を待ち、大人たちの週末の憩いのひと時が始まった、次第にござりまする。
家を出掛ける前だったか、“猿之助の襲名披露”のドキュメントを見たので、口上風に始めて見ましたが、店内にはジャズがさり気なく流れ、インテリアもご覧のように暖炉あり、オーナーの収蔵レコードがならんだり、照明も温かい橙系で統一されたりと、民芸調の室内造作に不思議と馴染んだ“洋”の洗練された大人たちのための演出が施されている。
そんな相席を許さぬ贅沢な空間使用に唸りながら、お客たちは次なる本命の蕎麦懐石に否が応にも期待は昂まってくるのである。
当夜の三人はいずれ劣らぬ食通、いや、食いしん坊にて、メニューを一覧するや、“これ、おいしそう”、“これは外せない”、“これって、どんな風?”、“これって、あれとどう違うの?”ってな感じで、お店のスタッフの方をテーブルに釘付けにさせたまま、いろいろと、策を練っておりましたな。
結局、色々な種類を頼んで、シェアしようということになりました。持つべきものは、やはり食いしん坊・同好の士、いや良き友であります。
そして、まぁ、“そば前”として、まず無庵自家製の白みその“焼き味噌”をいただき、それに合う日本酒も色々とヒアリングを重ね、女性陣が“無庵”の定番である五日市市の“喜正”(野崎酒造)を、わたしが海老名市の“いづみ橋”(泉橋酒造)を注文した。
その前に、そうだ、さっと供されたお通しも愛らしく、その器の凝りようとともにこれからの晩餐の心豊かな時間を暗示させてくれたのでした。
女性陣はこれから運ばれて来る料理は当然のことだが、その味わいのある器ひとつひとつに多大な関心を示し、皿を目線より上に奉げ銘を確かめるなど、懐石の醍醐味を満喫しておりました。
本日のお薦めで、三浦半島の金目鯛の刺身を頼みました。脂がのってとろりとして美味でしたね。辛口の“いづみ橋”とよく合いました。
次に秋の味覚、“巨峰と柿の白和え”をいただきました。う〜ん、秋到来ってな、雰囲気が口中に充満しましたな。
それから“金時草(キンジソウ)とナメコのお浸し”、薄味であっさりとイケてました。
私の大好きな“炙り鴨”、有無を言わせずってな感じで、頼んでしまいました。
どうも女性陣はほかの鴨料理を狙っていたみたいな気配がしたが、ここは早い者勝ちで、強引にいっちゃいました・・・、少々、反省しています m(__)m
軒先で覗きこんだ“カラスミのスモーク”も、この分厚さに何だか幸せな気分になるんですね・・・。
因みに軒先の奴は来年、お店に出るんだそうですよ。
それからいよいよ、天麩羅。盛合せでまず・・・。
そして、気になってしかたのない“柿の天ぷら”、いっちゃいましたぁ〜。あっさりしていて、柿の上品な甘さがほどよく口内に広がる感じ、大好きです。
陽が落ちると秋冷えが堪えはじめるお年頃、温かいところで、“冬瓜と鴨団子のスープ煮”も、ホッ、ホッとおいしくいただきました。
時間も過ぎ、お腹も適度?に膨らんできて、いよいよ、お蕎麦タイムへと突入です。そうそう、無庵では、これって蕎麦は注文時の最初に予約というか、取り置きをしておいてもらうのがよいですよ。以前も、宴終盤になってこれって頼んだところ、“申し訳ありません、今日は売り切れ”って、あれ〜って、へなってしまったことがありました。
当夜はスタッフの方が、なくなりそうな蕎麦は取り置きますって言ってくれて、次なる好物蕎麦をいただくことができました。前回だったか、前々回だったか、無念の思いをした蕎麦でしたので、ようやく悲願達成です・・・、ちょっと大袈裟でしたね。
大好物、玄蕎麦の荒挽き、“碾きぐるみ”というのだそうだが、いただきました。
これまでのオーダー振りから、当然、“小盛り”の注文です。決して“無庵”の蕎麦の量が少ないってことではないですよ。
この蕎麦の肌に透けて見える“そばの粒々”、やはり、荒挽きは素人でも蕎麦の香りが分かるので、大好きです。
女性陣は上品な“生粉打ち蕎麦”を注文しておりました。
ようやく宴もお開きが近づき、デザートへと後はまっしぐら。
ブラマンジェに・・・
そばがき善哉に・・・
そばがきの栗善哉に・・・
とこれ、全部一人で食べたわけではないですよ。みんなで頼んだ分ですから、わたしはオーソドックスに“そばがき善哉”でした。いっつも、おいしいんだなぁ、このゼンザイは・・・ってなことで、立川・蕎麦懐石“無庵”の大人たちの夜は静かに静かに更けていったのでした。
帰宅後、女性陣からお土産にいただいたわらび餅とどら焼きを頬張りながら、おいしかった“無庵”の品々を品評しておりましたら、家内と娘は、“いつ、私たちは連れてってくれるの?”ということでして、近々、ジャズの聴こえる“無庵”へ、家族で一緒に伺うことになりますなぁ・・・