復興増税=国会議員、「何様?」のつもり(2011.9.19)
「電気料金値上げは事業者の権利」発言=もはや民事再生法適用しかない東電(2011.12.22)



(復興増税=国会議員、「何様?」のつもり)から続く

第二に、今月12日から受け付けを始めた東電の原発事故にかかる損害賠償である。福島第一原発事故で避難を強いられた人などおよそ14万人を対象に賠償基準が書かれた説明書や請求書を発送したという。

その請求書の記載が複雑で細かく、領収書の原本を貼付しろ、今回の賠償項目の請求は今回限り(後日、思い出しても請求できず)などと、えらく七面倒くさいことこの上ないと、被災者の方々に憤懣の声が上がっているという。

TVで分厚い請求書を見たぐらいだが、そもそも東電という会社は何様のつもりなのだろうか。


東電は自己の保有する原発の事故により、広範囲の一般住民の生活を根こそぎ奪った加害者のはずである。


損害請求を受けるに際し、文書に領収書の原本を添付しろだの、請求は一回限りだのと注文をつけ、それも「払ってやる」と上から目線でふんぞり返る加害者が、どこの国にいるのだろうか。


原発事故発生を境に広範囲にわたる周辺住民は放射能汚染をさけるため、家を捨て、仕事を捨て、場合によっては家族離散という過酷な避難生活を強いられている。


明日の生活をどうするか、その切羽詰まった状況を東電の経営者以下は、どのように考え、心を痛めているのだろうか。


加害者たる東電の従業員は原発事故によって、給与カット5%、賞与カット50%で、年収ベースで2割程度の削減を行なったという。


片や被害者たる周辺住民は、家を奪われ、職を失い、すべてを失った人々が多数いる。


賞与半額といった次元ではなく、そもそも拠って立つ生活の基盤、共同体そのものを原発事故によって奪われているのである。


加害者には半減とは云え賞与まで出て、社宅も従来通り完備している。

被害者は家を追われ、職を捨てさせられ、家族バラバラの生活。


やはり、どう考えても、これって、おかしいだろう!!


加害者が自宅や社宅を出て、被害者の不便解消のために、一定期間、供出するぐらいの思いがあってもおかしくないはず。そういった思いだけでもあれば、今回の「保険金不正受給防止」のためのような、性悪説に凝り固まった賠償金請求の様式など作るはずがない。


加害者たる自覚を欠いた「何様」の所業であると、断じざるを得ない。


東電職員が被害者の避難先を周って、対面方式で謝罪しながら、具体的賠償について事を進めてゆくのが、筋と云うものだろう。


そもそも加害者が賠償金を支払うに自らの事務負担の効率化を追求したり、害を与えた相手の資質を疑う資格などないのである。


「疑う前に誠意」


これが常識ある世の中の在り様というものである。