川端康成の「伊豆の踊子」で有名な「天城山隧道(ずいどう)」を抜けて、天城山麓を南に下ってゆく途中に、「河津七滝」はある。


湯ヶ島側入口・右側にこぎれいなトイレがある

天城山隧道の標記

明治34年貫通を記す石碑
 

 天城峠は、最近は「伊豆の踊子」よりも石川さゆりの絶唱「天城越え」の方で有名なのかも知れない。「走り水 迷い恋 風の群れ 天城隧道」、「あな〜たと〜越え〜たい アマギ〜越〜え♪」の「天城隧道」のなかはひんやりとして、いや2月の風が吹き抜けて寒かった。


車一台でギリギリの隧道内
 

 隧道の入口で車を止め記念写真を撮るカップルが二組いたが、森閑とした山中にその話し声も自然とひそやかになっていた。


下田側出口

「天城山隧道」の苔蒸した標記
 

明治37年完成(貫通34年)の天城隧道は石造隧道のなかで現存する最長のものだという。石造の隧道入口の苔蒸して読み取れぬ「天城隧道」の文字に、遠く過ぎ去った明治、大正そして、早や20数年前となった昭和の時代を想った。446mにおよぶ真っ暗な隧道の先の出口がほんのりと小さく明るく見えるのは、どんなに暗い世の中にも必ず明るい未来があることを教えてくれているようであった。


遠くに小さく出口の明るみが・・・
 

河津七滝は、「ななだる」と読むことを今回知った。滝を水が垂れることから垂水(たるみ)と呼んでいた古語に因むもので、なかなか趣がある。


かに滝
 

初景滝への途中で落ち椿を見下ろす

その「ななだる」は上流から「釜滝(かまだる)」・「えび滝(えびだる)」・「蛇滝(へびだる)」・「初景滝(しょけいだる)」・「かに滝(かにだる)」・「出合滝(であいだる)」・「大滝(おおだる)」の順にある。


初景滝

蛇滝

くねる蛇滝

出合滝

出合滝

大滝

30mの七滝最大の瀑布
 

足が不便なわたしは七滝のうち、最大の高さ(30m)を誇る「大滝」と「初景滝」に立ち寄ったが、健脚で好奇心あふれる家内は、上流の「釜滝」・「えび滝」をのぞく五滝を踏破?した。だから、写真の大半は家内撮影のものである。