今日も菅首相の思い付き経済政策がニュースで流れた。

 雇用に熱心な企業に減税などの恩典を与えるといった雇用対策の検討を指示したというものであった。

 この政策検討の指示もご多分に洩れないが、これほど統一性を欠く政策が、時の内閣から次から次へと繰り出されるのも珍しい。 まぁ、お陰で、少々のことでは驚かなくなったし、また、相当なことを言われようが、期待もしないし、失望もしなくなった。自分の短気な性格には、恰好の精神鍛錬である。

 ただ、こっちも洞ヶ峠を決め込んで、冗談を言ってばかりもいられない。今の日本経済を取り巻く世界のなかで一人負けのような状態で、こうした無能な政府が居座るのは、極めて危険である。 まぁ、あまり、こっちも揶揄ばかりしてハスに構えてばかりいては、本当にこの国の経済は根っ子からやられてしまう。どうしたらよいのか・・・。う〜ん・・・。

 「一に雇用、二に雇用、三に雇用」とか、「介護とか成長分野に力を入れて」とか、「法人税減税」とか、この宰相は声高にお題目を唱える。どうも、生きた経済はすべてが関連しているのだという、至極当たり前の理屈以前のことがお分かりになっていないようなのだ。

 一つの経済行為が次の経済活動を誘引するのだというごく基本的な経済の知識もないのではないかと、一連の発言を聞いていて、正直、呆れるしかないのである。それをまずは丁寧に、側近の人々が一国の宰相に教えてもらいたいのだ。

 少しでも経済政策なり政治に関わるものであれば、政策論の一つでも真面目にやれば、産業連関表や生産波及系数(倍率)といった言葉も一度くらいは聞いたことがあるのではないのか。でも、菅首相の発言を聞く限り、そうしたことも知らずに、思いつきで口から出まかせのように喋っているとしか思えない。「政治主導」とことあるたびに口にする菅首相。その人が使いこなすべき官僚の人々も、こうした思いつきの発言にはさすがに参っているのではないのかと、同情してしまう。財政再建をぶち上げる傍らで、税収不足に悩むなかで、法人税の減税を語り、さらに雇用に熱心な企業にはさらに減税の恩典を与える。90数兆円に及ぶ概算要求の来年度予算に、こうした減税案をどのように具現化しようというのか。本当に分からない。それから、そう言えば、第三の道なんて、昔、言ってたけど、来年度予算でその「道」ってもの、見せてくれるんだよね・・・。

 何せ、ああも、こうも単発的な政策?を脈絡なく唐突に言うのだから。

 ここに至ると、この内閣は経済政策に限らず、大元の国のグランドデザインをそもそも自らが描けぬ内閣なのだと言うしかない。何のために政権を奪取したのか。

 小沢一郎は嫌いだ。しかし、この体たらくを何度も見せられた日には、「矢でも鉄砲でも持って来い」じゃないが、ヒットラーでもいいかと本気で、最近、思えて来たのだから・・・。

 正直、そんな自分が怖くなってきた。

 介護ロボットの開発支援に1兆円の予算をつけるとか、ちょっとでも気の利いたことでも言ってくれないもんだろうか・・・。

 あぁ、あぁ、ただでさえ猛暑日が続いているのに・・・・ ゚・(ノД`;)・゚・