諏訪大社、7年に一度の奇祭、「御柱祭」の里曳きを見た

 44日(日)、長野県茅野市仲町上川河川敷(宮川木落し公園対岸)で御柱祭の上社木落しを見た。今回から上社でも御柱祭誘客促進協議会による有料観覧席が用意されたので、応募したところ、本宮四之柱の木落し(4日正午)のチケット四枚をゲット。家族と親戚のものとで3日より長野入りした。

 

 前日の2日が上社の山出しの日であったが、これが7年目ごと(寅年と申年)に行なわれる諏訪大社の御柱祭(おんばしらさい)という神事のクライマックスへ向けたスタートである。


御柱出発の地
綱置場にはためく旗

綱置場
前日までここに八本の樅の木があった綱置場

道路に残る山出しの痕
道路に残された山出しの痕(樅の木の木皮)

 

 茅野市と原村の境の綱置場から八本のモミの木の巨木が数千人の氏子により曳き出され、木落し坂の上まで順次、運ばれてゆき、翌日と翌々日に行なわれる木落しを待つ。

 

 われわれは快晴の絶好の御柱日和に恵まれ、観覧席の最前列で初めての天下の大祭を観た。木落しの山というより丘は斜度27度で、坂の長さは50mほどであった。思ったより距離も短く、傾斜もそれほど急には見えなかった。


木落し坂
木落し公園・斜度27度・斜面50mほど

 

 テレビなどで放映される勇壮な木落しは翌週の土・日に行われる下社のものであることを、その時知った。下社は斜度45度で100mを滑り落ちるというのだから、そちらが迫力の点でまさっているのだろう、テレビなどでよく取り上げられるはずである。

 

 12年前の寅年にやはり上社の里曳きを見ていたが、木落しは初めてである。どんな具合かも分からぬまま、樅の木が坂の上に姿を現すのを待った。上社の特徴は、御柱の前後に「メドデコ」というV字型の細い柱が差し込まれ、そこに各々、10人余の若者が乗っかり、木遣りの声やラッパの音に合わせて赤や黄色の御幣(おんべ)を振りかざす。


前宮三
前宮三之柱

前宮三木落し
前宮三之柱木落しの瞬間

 

 一時間ほど待つと、坂の上に御柱のメドデコが姿を現した。何のなんの、その巨大な姿は勇壮である。そして、メドデコの装飾が美しい。


本宮四のメドデコ
本宮四之柱のメドデコが姿を現す

坂の中腹のラッパ隊や鼓笛隊
ラッパ隊や鼓笛隊が雰囲気を盛り上げる

 

 子供木遣りやラッパ隊、鼓笛隊などがこれからの木落しをいやがうえにも盛り上げる。そして、花火が打ち上げられ、会場に「ウォーッ!」という歓声が挙がるや、全周2m45?の四之柱が右に傾いて、坂の上から落ちてきた。


木落し直前
木落し直前
 

 あっという間の出来事であった。しかし、それは1200年以上も前から行われているこの神事の絶えざる流れの一筋に、自分が参加し、身を置き、溶け込んだ瞬間でもあった。