小沢一郎幹事長の政治資金疑惑に関して、三人の元秘書が逮捕された。その事件に対する検察庁の捜査のあり方に対し、政権与党、公党として異常とも思われる反応を民主党は示している。


 まず、石川知裕衆院議員と同期の民主党衆院議員による「石川知裕代議士の逮捕を考える会」(会長・福田昭夫衆院議員)が結成され、その初会合が18日開かれた。出席者は、政府内からの政務官4人と首相補佐官1人を含む13人であった。同会は法務省や検察庁から話を聞く意向を明らかにしている。


 また
同日の党内役員会において、弁護士資格を持つ議員による「捜査情報漏えい問題対策チーム」の設置を決めた。幹事役の小川敏夫参院議員は「検察からマスコミへ捜査情報が漏れているのは明らか。強大な捜査権限で収集した情報を流すことは捜査の在り方として許されない」と述べている(読売新聞)という。

 

一方で、16日の民主党の党大会後に、森裕子選対委員長代理(参議院議員)が「検察をトップとする官僚機構と国民の代表である民主党政権との全面的な戦争です。一致団結して最後まで戦う」と熱っぽく語ったのも印象的であった。同氏は、19日のTBSの「みのもんたの朝ズバッ!」でも、「水谷建設からのヤミ献金情報は検察のリーク情報で刑務所にいる元水谷建設幹部の証言だ。佐藤栄佐久元福島県知事の公判が示すように信用できない」などと、検察庁のリークする情報をあたかも真実のように断定的に報じるのはおかしいとメディアの報道のあり方にも言及した。彼女を見ていると、なんかオカルト教団の教祖様を必死で擁護する信者のように見えて、朝から不快な気分に襲われた。

 

かように、小沢一郎幹事長の政治資金関連団体の疑惑にかかわる民主党議員の検察庁への過剰反応は目に余る。またリーク情報に基づくメディア報道批判も、これまでの各種事件報道のあり方の延長戦上での報道であり、今回が特別に偏った報道であるとは見えない。この点も批判するのであれば、これまでとどう具体的に異なるのかを述べたうえで、批判すべきと考える。

 

本来、検察庁の捜査を信じるところから始まらねばならぬ政権与党が、先頭切って検察批判を繰り返し、ヒートアップする。これから起こる小沢氏以外の事件についても個別に民主党は検察庁のリーク等捜査のあり方に、偏っているとして口を挟んでゆくのか。どう考えても、常識的な大人のやることではないように思えて仕方がない。

 

私は小沢氏が潔白だと言っているのだから、早く検察の任意の事情聴取に応じ、国政の混乱を一刻も早く終息させるのがやるべき最初のことだし、そう進言するのが与党議員の責務だと考えるがいかがであろう。