障害者扶養年金廃止への意見書提出--- 

 

 福祉保健局作成の「心身障害者扶養年金加入者だより(h18.8)」や、東京都のHPにて開示されている過去4回の審議会議事録を読み、中間報告で示された扶養年金制度廃止の方向性について以下の、疑問点ならびに問題意識を列挙、提示させていただく。

 

1.    扶養年金制度創設時の政策課題は既に達成されたのか

    制度創設時の目的は達成されたのか

    扶養年金制度は「障害者の保護者が死亡した後、障害者に年金を支給するため扶養年金制度を設け、・・・残された障害者の将来に対し保護者の抱く不安の軽減を図ること」を目的とすると謳われている

    自立支援法の施行により、逆にますます親亡き後の「障害者の将来」への不安は大きくなっており、当該制度の政策目的は達成されたとは、とても言い難い

 

    障害者の立場に立っての検証・総括が不十分

    障害者関係の制度や法律は昭和44年当時と較べればたくさん立法化され、施行に移され、障害者への理解が進んでいることは事実である

 

    しかし個々の障害者が置かれている立場(地域と共生と言いながら施設整備が遅れている・一般就労も極めて困難・自立支援法で自己負担が従来以上に発生・法外施設通所の障害者の存在は未解消)に思いを至し、自立とは逆に障害者が経済的にも制度的保護の観点からも、ますます厳しい状況に追い込まれて行っていることをもっと検証すべきと考える。

 

    第一回審議会の福祉保健局長の冒頭発言に「我が国の障害者施策は格段に充実した。近年では、グループホームや障害者地域自立生活支援センターの整備など、障害者が地域で自立できるような環境の整備も進み、さらに一般就労に向けた取り組みも始まるなど障害者を取り巻く環境も変化してきている」とあるが、この現状認識は、現実とは大きくかけ離れた認識であることを、まず委員の方々は検証すべきなのではないか。

 

福祉保健局長は、「そうした法律や掛け声などはだいぶ整備された」というべきであり、続いて「しかし、その政策効果はほとんど上がっていず、実際に障害者の一般就労は一向に進んでいない」と挨拶すべきであった。

さらに、この4月にスタートした自立支援法は障害者自立を目指す方向とは反対に、自立を阻害する法律になっていることが、4月以降の施設退所者が急増している現状が証明しており、その目の前の現実をどう委員の方々は考え、行政に対し問い質すべきなのではないか。

そもそも、局長が言われたように障害者施策が充実しておれば、こうした事象は起こりえないのではないか。

 

    「当該制度の社会的役割の変化(相対的に小さくなった)」との認識に異論

    昭和44年当時は、民間の保険制度も充実せず、障害基礎年金制度がなかったとあるが、扶養年金制度の役割は今もその当時も役割自体の意義と価値は変わっていない。いやそれ以上に増していると言ってもよい

 

    4回審議会で、一部委員に「扶養年金が作られたときには、時代背景として民間保険がないとか」という発言がありましたが、民間の生命保険は下記のように30年代には既に十分に整備されており、40年代半ばには親が生命保険に入る行為は普通であった。そうしたなかで、この扶養年金に加入したのは、この制度がひとえに障害者を支援する福祉政策(公的支援があるから民間保険とは異なる)であると理解したためである。扶養年金が現在のように廃止リスクがあると考えたら、私は当然、民間の生命保険に加入した。

 

この制度が公的政策のひとつであると私が認識したのは、年金約款第11条「調査に協力する義務」の「加入者、年金受取人、障害者又は年金受給権者は条例第13条第4項の規定により知事が行なう調査に協力することを要します。 2項 加入者又は年金受取人は、毎年1回生活状況を窓口機関に報告することを要します」にある。委員のいうこの制度が「一種の生命保険」であるというのなら、なぜ私たちはこうした「プライバシーを行政に報告する義務」を20年間もの長きに亙り課されなければならなかったのか。委員の方々の見解を伺いたい。

 

【昭和30年、生活保障のニーズに対応して、従来の養老保険の保障部分を増大した定期付養老保険が発売された。その後、日本経済の発展とともに定期付養老保険は年々人気があがり、昭和33年末の保有契約高は4兆4,640億円、国民所得に対する保有契約高の割合は94%となった】

 

    私の子供(愛の手帳3度)のケースで経済面での自立支援の意義を説明する

 

  障害基礎年金---6.6万円/月 (20歳から支給開始)

東京都育成手当て---1.5万円/月

授産施設工賃---1万円/月          

合計月収 9.1万円/月(年収109万円)=A

 

 自立のためのグループホーム入居費用---9万円/月

 社会福祉法人利用料---1.5万円/月(就労移行支援サービス)

 昼食代---1万円/月

 送迎費用---0.5万円/月                 

 合計支出 12万円/月(年間出費144万円)=B

 

 単純に35万円/年の赤字(A−B)である。

現状は、この赤字を扶養年金の48万円(特約付き=4万円×12ヵ月)で、ようやく埋める計算となっている。

 

    この上記出費は施設との往復だけの人生を送るだけという費用である。趣味のCDやV6のコンサートなどに行くお金は勿論なく、健常人の人生の娯楽やちょっとした買い物、洋服代等最低限の生活を送ることも不可能なことは自明である。

    こうしたなかでの、扶養年金4万円/月(私は特約に19年間入っているので)は、私たち両親亡き後の子供が一人ぼっちになった時に、人間らしい最低の人生を保障する貴重な制度的に保障された財源として期待し、疑いなく信頼していた収入であった

 

△砲弔鼎