「蓼科散策」

 

 

 

 

 コロボックルからの雲

 

おだやかな景色・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テラスからコロボックルからの空と雲

 

コロボックル雲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      

 

 

コロボックル

 

 

コロボックルヒュッテ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蓼科には空と雲がよく似合う。車山肩周辺のハイキングコースを十数分ほどぐるっと廻り、清澄な空気を胸一杯に吸い込んだ後に、今年で五十周年を迎えるコロボックルヒュッテで、マスターお手製の熱いココアを呑む。ヒュッテのテラスの端のテーブルから車山のなだらかな稜線が望める。その席はわたしの一番大好きなスポットであり、蓼科でもっとも大切なひと時を過ごす場所である。

 

 コロボックル看板

 

コロボックル

 

 

 

コロボックル頭上の空

      

 

     

 

 

 

 

 

 

            頭上にひろがる空

 

 わたしはいつもそこから、正面の稜線とそのうえに広がる大空にただ漫然と目を遣る。と云うより、正面のたおやかな稜線のうえに自分の眼(まなこ)を置くと言ったほうがよい。そして、頭上に現われては消え、また現われては消えてゆくせっかちなちぎれ雲や、ぽっかりと退屈そうに浮かんでいる綿雲がぼんやりした視界を過ぎってゆく。想えば、蓼科の空にはさまざまな表情をした雲がひっきりなしに訪れる。蓼科の空はいそがしい、そして、ながめていて飽きることはない。

 

 コロボックルヒュッテの「ひと時」と言ったが、その時間のたゆたいは、いつも悠久の時の流れのように感じられる。不思議に静かな時の流れである。妻が語りかけてくる言葉も幽明界を異にした世界、どっちが幽で明かわからぬが、向こう岸からかすかに届く声のように、ぼんやりと不分明に聴こえてくるのみである。

 

 そんな時を超えた空と雲の世界が蓼科にはある。