民主党永田議員ははめられた!

 永田寿康議員ははめられた! ホリエモンの武部幹事長次男への三千万円振込みメールについて、予算委員会での永田議員の爆弾発言?が4点セットで盛り上がる民主党に冷や水を浴びせ、沈み行く小泉政権を浮揚させる特効薬となった。先の総選挙で圧倒的有利な地位に立った小泉政権であったが、この通常国会に入り、次から次に押し寄せる予期せざる(中には予期していた)問題の発覚(BSE・防衛施設庁談合・構造計算偽造・ライブドア事件)から、一転して国会審議は野党の攻勢が強まり、内閣支持率の下落、政権の求心力に翳りと云った政権末期の様相が一挙に吹き出していた。

 そうしたなかで、今回の永田爆弾質問がなされた。民主党としては千載一遇のチャンス到来とばかりに、この「ガセネタ」に飛びついたのだろう。  しかし、その後の展開はご承知の通りである。何かおかしい・・。こんな素人でも分かるガセに何故、永田議員は引っ掛かったのか、また前原代表、野田国対委員長もGOサインを出したのだろうか?  不思議でならないのである。余りにも表面で云われていることだけでは、民主党が余りに愚かで、情報分析もお粗末といったことしか当然、見えてこないし、そう考えざるを得ない。おかしい・・・。とても、おかしい・・・。

 民主党は本当にこんな赤子が騙されるような手合いの集団なのだろうか?そうだとしたら、巷間云われるようにもう民主党は解党して、すっきりした主義のもとに再結成したらよい。  今回のメール問題にはどうしても陰謀の臭いがしてならないのである。しかも小泉政権のごく中枢の人間によって、仕掛けられた巧妙な罠であったとしか思えぬのである。事件発覚後最初の武部幹事長のドギマギ振りはあれが、演技だとすればアカデミー賞助演男優賞ものだ。彼はこの陰謀には全く噛んでいなかったからこそ、あれほど目を白黒させ、慌ててしまったのである。脛に傷があるのだろうから・・。敵を騙すには味方を騙す。奸計の要諦である。4点セットで窮地に追い込まれた小泉政権が仕組んだどす黒い奸計こそ、此度の「永田ホリエモンメール」事件なのだと思えてならぬ。永田議員の質問後に即座に小泉首相が「ガセネタ」と言い切ったあの発言には、実に自信に満ちたものを国民は感じたはずである。しかも、その後の代表質問の遣り取りで「頑張って欲しい」発言も窮地に追い込まれていたはずの人間とは思えぬ余裕が感じられた。まさに一夜にして形勢は見事に逆転してしまった。  

 永田発言で世論を注目させ、そしてその舞台中央で自民党幹事長がドギマギする。観客はこれまでの絶対権力者の転落をじっと固唾を呑んで見守る。しかし、それが「ガセ」と分かる。盛り上がった昂揚感は失望と侮蔑に変わる。民主党への反撥、不信感へと変わる。「やはり、この政党に政権は任せられない」と。  

 世論はまさにその通りになっている。この拙いが、余りにも面白い奸計を考え実行した人物は誰か?これまで小泉総理を全力で支えてきた人物。  単純にこの「ガセ」が永田議員に伝えられたはずはない。疑いを持つこともない情報などと抱き合わせで、もっと巧妙に仕掛けられた罠であったのだろう。幾重にも罠の包囲網が彼の周りには張り巡らされていたはずである。この一件で小泉政権の闇を覗き見たようで、背筋が粟立つ恐怖感を覚えた。