彦左の正眼!

世の中、すっきり一刀両断!で始めたこのブログ・・・・、でも・・・ 世の中、やってられねぇときには、うまいものでも喰うしかねぇか〜! ってぇことは・・・このブログに永田町の記事が多いときにゃあ、政治が活きている、少ねぇときは逆に語るも下らねぇ状態だってことかい? なぁ、一心太助よ!! さみしい時代になったなぁ

June 2012

今年もおいしいサクランボの季節がやってきた=須坂市・藤沢農園

住所:〒382-0005 長野県須坂市新田町2588

fax026-245-8721


623日、信州は須坂にある藤沢農園からおいしい“佐藤錦”が届いた。同封された御手紙に「今年はさくらんぼにとって良い気候の為、豊作になりました」とあった。  

藤沢農園から届いたさくらんぼ
藤沢農園から初夏の風とともに、さくらんぼが届きました

早速に大粒になったつややかなサクランボを口にした。甘くてちょっと酸味の効いた、まさに初夏の味覚である。

箱いっぱいのサクランボ
箱いっぱいの佐藤錦です

「おいしい」、「おいしいね」の合唱に、サクランボも喜んでいるのだろうか、食べるほどに甘味が増し、そのなかにほんのりとした酸味を残す絶妙の“爽やかさ”を届けてくれる。

豊作の佐藤錦・つややかな紅いさくらんぼ
今年の出来はよいという、この艶がたまらない
2011年のさくらんぼ
2011年の佐藤錦です・・・、ちょっと紅味が今年と違います

昨年の夏に黒姫の山中和子氏のホームコンサートへ向かう途中、須坂市にある藤沢農園を訪ねた。ここ数年、季節ごとの旬の果物をお願いしている果樹園である。


藤沢農園の前庭

その季節はちょうど桃の季節であったが、藤沢英明さんと奥様の道子さん、それから英明さんの御両親に歓待いただき、お母様から次から次に様々な種類の桃の試食を勧められ、その実直で豪胆とも思える桃の振舞い方に、「これは試食などではなく、豪勢なピーチパーティーだなぁ」と思ったものである。

  
これって、試食というより、ピーチ・ビュッフェっていったほうが・・・・。写真の他にももっといただきました・・・


桃でお腹一杯になったところで、英明氏がとても広い果樹園を案内してくださった。


ぶどう畑

桃畑

プラムはもう収穫が終わっていました・・・・、これは収穫されなかったのですね・・・

桃はほんとうにおいしそうでした・・・

その日のあまりの暑さとわたしの足が悪いのもあり、見学は半時間ほどの一部の個所で失礼したが、その時の英明さんの熱っぽい語り口から果物に対する深い愛情と自然を相手とすることの厳しさを知った。と同時に、自然に向き合う敬虔な姿にある種の感動を覚えた。英明さんが開設しているブログ“FARM 2 FARM”にその思いが日々つづられているので、ぜひ、閲覧していただくとよい。季節感満載のブログです。

藤沢農園パンフレット
藤沢農園のパンフレットです。訪問するのにこの地図があれば迷いません

その藤沢農園から届いたサクランボ!!

今年のさくらんぼは一段とおいしそう
大粒でとてもおいしいサクランボ!!
コンポートに盛りつけられた佐藤錦
コンポートにサクランボはよく似合います

コンポートへ盛りつけられたつややかに紅い“さくらんぼ”を見ていると、まるで信州の初夏の風がわが家の居間を吹き抜けているかのようなそんな爽快感にとらわれたのである。


・・・そして・・・8月には瑞々しい”黄金桃”が・・・、もう今から待ち遠しい・・・わたしである。

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=千間淵・番所小滝で高山植物を愛でる

千間淵
千間淵

乗鞍三滝で一番大規模な番所(ばんどころ)大滝を観た後、われわれは一旦、駐車場へ戻り、途中で昼食を取った。その後、県道84号線を少し登り、千間淵(せんげんぶち)に近い“JAあずみ”隣の公民館に車を止め、千間淵、番所小滝へと小大野(こおおの)川を下っていくことにした。

千間淵案内板
案内板の脇に下り口があります

案内板の脇の下り口すぐのところに、一本の山桜の樹がいまを盛りと白い花を全身に装い、われわれを歓迎してくれていた。

山桜
いらっしゃいと満開のヤマザクラ

千間淵へのアプローチは大番所大滝とは異なり、身の危険を感じるような急激な傾斜はなく、足の悪いわたしでもそう疲れもせずに小大野川沿いの渓流径へと降り立つことができた。

厳しい傾斜はない
そんなに急な傾斜道はなかった
小大野川沿いに千間淵へ
小大野川の渓流沿いに歩く

そこまでの道ばたには、さまざまな高山植物が山間の静けさを破らぬかのようにしてひっそりと息づいていた。

群生する姫一花
群生する姫一花
ヒメイチゲ
これがヒメイチゲ(姫一花)です。調べるのに苦労しました。真中の丸いボンボリみたいなのが蕾です
姫一花
姫一花がたくさん見れました

家内はちょっと行っては立ち止り、またちょっと行ってはしゃがみ込んで、可憐な花や蕾を熱心にのぞき込んでいる。植物に詳しい家内も名前の分からぬものがあり、帰宅後、「山と渓谷社」のポケット図鑑で調べて名前が判明したものも少なくなかった。

ミヤマエンレイソウ
ミヤマエンレイソウ
ミヤマエンレイソウの”がく”と花弁 2
ミヤマエンレイソウの三片のがく(黄緑)と三枚の花弁(白)

高山植物など門外漢のわたしでも、あんな山深い高所で小さな小さな花を咲かせ、次の世代へと命をつなぐ自然の尊い営みを見せつけられると、社会性を有する故の人間という生物が成せる文明とは実際のところどれほどの価値があるのかと、そもそものところで懐疑心を膨らませているところである。

マイヅルソウ
マイヅルソウ
マルバスミレ
マルバスミレ

その時はそんな感慨にふける間もなく千間淵大橋へ到着した。小大野川に架かる吊り橋を渡り、しばらくゆくと今度は山肌に沿って架かる千間淵小橋へ到る。

千間淵大橋と小大野川
千間淵大橋と小大野川
千間淵大橋
千間淵大橋

その橋の袂に小大野川へ下りる10段ほどの急な階段がある。川はテラス状の大きな平たい石を迂回するようにして流れているが、増水時にはそのテラスも水中に没するとのことで、その場合は千間淵を眺めるベストポジションはあきらめざるを得ない。

千間淵小橋手前から石のテラスを見下ろす
千間淵小橋たもとから階段で小大野川のテラス状の石板に降り立つ

当日はそうしたこともなかったので、そのテラス状の石板の上から右斜めに落差が2、3mの小さな滝が落ちるドーム型をした千間淵をゆっくりと心ゆくまで見ることができた。

千間淵を見る
千間淵
千間淵
この淵がどうして千間もあるの?

小さな淵にも拘らず千間(1.8km)とはまたどうしたことかと思ったが、小大野川とは別の水源である前川から千間もの量の薪を流したところ、この淵へと流れついたので、この名前がついたのだと、後で“のりくら散策ガイド”を読んで知った。

千間淵小橋
千間淵小橋を渡り、この手前の方へと進みました

小橋を渡り渓流沿いに下流へと進むと、山の斜面にお目当ての一つであった“イワカガミ”の群生を見つけた。

イワカガミ群生
イワカガミの群生

家内は身をかがめ花の下から花芯を見ようと、カメラ片手にいろいろ工夫をしていた。その熱心さに本当にこの人は花が好きなんだなぁとなかば呆れて見ていたというのが実際のところなのだが、下の写真を見ていただくと分かるように、見事に“イワカガミ”が写っており、その執念には脱帽したところである。

イワカガミ
イワカガミ
イワカガミ
イワカガミ
イワカガミ
この写真は素晴らしい・・・

そしてもう少し渓流沿いに歩いてゆくと、木の間越しに落差8mの“番所小滝”が見えてきた。


番所小滝
落差8mの番所小滝
青葉のなか番所小滝
新緑のなか、ただ滝は流れつづける・・・

新緑のなかで流れ落ちる滝を間近で見ることが出来て、都会では決して体験できぬ森林浴にマイナスイオンと健康100%の時間を心ゆくまで愉しめた千間淵散策であった。

ホタルブクロが咲いて、さぁ、蛍狩りだ!!

美山荘の蛍狩り(2006.7.5)
東京の「ほたる狩り」=うかい鳥山(八王子)6月3日〜7月13日(2010.5.29)

床の間に活けられたホタルブクロに気づいて、家内に「これどうしたの?」と問うたところ、「前から庭にたくさん咲いてますよ」との呆れたような返事。

活けられたホタルブクロ
ホタルブクロの活け花

早速、庭に出て見た。紫陽花も今年は見事に咲いている・・・ トホホ (;一_)・・・ 

アジサイ
紫陽花も鮮やかに咲いていました・・・
額紫陽花
額紫陽花もきれいです
額紫陽花
紫陽花を撮り出したら止まらなくて・・・
紫陽花

その紫陽花の脇にほんと〜にホタルブクロがたくさん咲いているではないか。

ホタルブクロ
ありましたよ・・・、ホタルブクロ・・・
ホタルブクロ
たくさん咲いています

東京ではなかなか気分が盛り上がらないなと生意気言っていたわたしだが、こうやってホタルブクロをわが家で目にするとは・・・季節感満載ではないか・・・

ホタルブクロ
懺悔の気持ちでアップでも撮りました
ホタルブクロの花芯
下からカメラを挿しこんで花芯を撮りました・・・、必死です・・・
花芯
活け花の花芯の方がきれいに撮れたので

実のところ来週、信州辰野に蛍狩りに行く予定にしているのである。


にもかかわらず、その季節感を己の庭にも感じぬわたしの無粋きわまりない所業に、業を煮やしたホタルブクロが季節の空気をちゃんと読めよと諭しているような気がしたものである。そこで、謝罪の意味もこめて写真を色々と撮らせていただいた。


そういうことで、来週は蛍狩りに行ってくるが、辰野町の公式HPに「【24年度】松尾峡・ほたる童謡公園のほたる発生状況」というWEBサイトがある。そこには毎日の午後8時から9時の一時間で松尾峡・ほたる公園で蛍を視認した数が日毎に掲載されている。平成9年から観測を開始し、今年で15年目となるとのこと。


これによると、この63日(日)に7匹を観察したのを初日に、天候により数の増減はもちろんあるが、日毎にその発生数は増加している。


610日(日)に1268匹と千匹台を越えてからは、13日(水)3736匹、15日(金)7350匹、17日(日)には9189匹となっている。昨日は風が強かったので、7679匹とのこと。


これまでの最高は2004年の17000匹だそうで、さてさて、わが家のホタルブクロにも気づかぬこのわたしは、辰野でどれほどの蛍が歓迎してくれることやら・・・、ちょっと心配になってきたわたしである。

マチュピチュ「発見」100年“インカ帝国展”は6月24日まで=国立科学博物館

インカ帝国展

1911年714日、米人の歴史学者ハイラム・ビンガムが天空都市マチュピチュを発見してから100年目を記念して、現在、上野の国立科学博物館で624日まで、マチュピチュ「発見」100年“インカ帝国展”が開催されている。 

世界遺産マチュピチュ
世界遺産マチュピチュ(館内撮影可のコーナーに飾られた写真)
国立科学博物館
国立科学博物館

1438年にパチャクテクの即位により南米アンデスの高地に興ったインカ帝国は、1533年にスペイン人コンキスタドールによって滅ぼされるまでの約100年間で、南北4千kmに広がる大帝国を築いた。

クエラップ要塞への入口
15世紀末にインカに征服された集団チャチャポヤのクエラップ要塞への入口(撮影可コーナーの写真)
金合金製の小型人物像
金合金製の男女像(同館販売絵葉書より)

太陽神を崇拝し、金や銀、錫、銅といった鉱物資源を豊富に有し、金属精錬技術に長けた絢爛たるインカ文明であったが、世界が鉄器文明と呼ばれる歴史を重ねていた16世紀まで、鉄器を知ることなくまた火器も有することがなかった。

農業試験場であったモライ遺跡
農業試験場であったモライ遺跡(館内撮影可コーナーに飾られた写真)
アリバロ(酒器)
トウモロコシ酒を入れる土器・アリバロ(同館販売絵葉書より)

昨今の古人骨のミトコンドリアDNA分析からアメリカ先住民の祖先集団はアジアに由来し、ベーリング海峡が陸続きだった約2万年前にアメリカ大陸へ移動し、その後急速に南北アメリカ大陸へ拡散、展開していったことが分かって来た。

ロス・コンドロス沼にある墓地
ロス・コンドロス沼の山の傾斜面にある墓地(撮影可コーナーの写真)
小型女性人物像
墓に埋葬されていた小型女性人物像(館内販売絵葉書より)

われわれ日本人の祖先とも遠い遠い古代に一緒に焚火でも囲んでいたのかもしれないと想像すると、インカ文明が至極身近に感じられて来た。

マラス塩田
マラス塩田(撮影可のコーナーに飾られた写真)
玉座
玉座(同館販売絵葉書より)

それもあって、科学博物館の会場は平日にも拘わらず来館者はかなりの数であったが、じっくりとひとつひとつの展示品を見て回った。

チケット販売場に列ぶ来館者
チケット購入に列ぶ来館者
入場入口案内板
会場入口案内板
国立科学博物館入口にあるSL
このSLのところが会場入口です

何か日本文化との共通点はないだろうかなどと、にわか考古学者を気取って見たのである。

インカ最後の縄橋
インカ最後の縄橋(館内撮影可コーナーの写真)

もちろんそんな素人にビックリするような発見などあるわけもなかったが、ただわたしに流れる血がざわつき、少し泡立っているような奇妙な親近感のようなものを感じ取ったのは事実である。


最後のマチュピチュコーナーでは、コンドルとなって標高2430mの天空都市マチュピチュを俯瞰したり、“太陽の神殿”や“コンドルの神殿”などを歩き廻っているような感覚を覚える12分間におよぶ3D上映もあった。

マチュピチュ遺跡
マチュピチュ遺跡(同館販売絵葉書より)

日本文化との共通点をあなたなら発見できるかも知れない。ぜひ、インカ帝国展へ急がれると良い。

国立科学博物館出口から
出口から見える大きなシロナガスクジラ
国立科学博物館
国立科学博物館では6月24日まで

同展は国立科学博物館での展示のあとは全国8か所で201422日まで開催される。開催スケジュールは以下の通り。


201276日〜99日 仙台市博物館

2012918日〜1114日 山梨県立考古博物館

20121127日〜2013127日 静岡県立美術館

201329日〜47日 富山県民会館美術館

2013416日〜623日 京都文化博物館

2013630日〜91日 福岡市博物館

2013910日〜1023日 鹿児島県歴史資料センター黎明館

2013119日〜201422日 沖縄県立博物館・美術館

温もりの空間 “5WATTS(Wine & Dining)”=世田谷・深沢グルメ

世田谷区深沢3-5-14

03-3704-0702


お店のプレートがないので・・・
お店にプレートがないので・・・

家内の友人のお宅へお呼ばれし、近所の“5WATTS(ファイブワット)”という変わった名前のお店でディナーをごちそうになった。

5WATTS
5wattsの外観

奥様が参加するエコ活動の一種とでもいってよいのだろう “恵比寿ビエンナーレ”(ゴミから、アートへ)というグループのお仲間のおひとりがやっておられるお店だという。


深沢の閑静な住宅街に位置する小ぢんまりしたお店である。フレンチレストランと呼ぶような肩肘張ったお店ではなく、雰囲気はいわゆる“ビストロ”と表現するのがぴったりの普段着感覚のお店である。

“5WATTS(ファイブワット)”とはちょっと変わった名前である。5ワットといえば、いまの若い人はご存じないが、蛍光灯などの脇についている二燭光(にしょくこう)〔現代ではナツメ球(常夜灯)というのだそうだ〕の明るさ、ワット数である。

二燭光の灯り
二燭光(にしょくこう):5ワットです

ナツメ球という製品名は性能・仕様ではなくその形状のみに着眼したネーミングで、物の質より形や見栄えに価値を認める現代の表層的風潮を象徴しているようで、どうもしっくりこない、というより、気にくわぬ。


なにせ、由来を蝋燭一本の光度とする明るさの単位である“candela(カンデラ)” は、国際度量衡委員会で採択導入されている光度の国際標準単位なのだから。一燭の光度は1.0067カンデラであり、1燭≒1カンデラ≒一本の蝋燭ということになる。最後の“≒一本の蝋燭”の部分はわたしのかなりアバウトな決めつけではあるが・・・。


そういうわけで、わたしは蝋燭2本分の明るさを字義通り表わす“二燭光(にしょくこう)”という呼び名の方がその仕様が分かりやすく実に科学的なネーミングであると考える次第なのである。それは単なる年寄りの僻みというものなのだろうか、う〜ん・・・。


待て待て、そうだ、そんな光度単位を力説するより本題へ戻らなければならぬ・・・


“ニ燭光”、もとい、その“5WATTS”だが、さすがに店内は蝋燭二本の光度よりも明るくはあるが、厨房の灯りがお客のテーブルへ照り映え、ほんのりと辺りを照らし出すといったイイ感じの温もりある空間を作り出している。

5ワットの小世界
小ぢんまりした温もりのある店内

そこで当夜の料理であるが、いわゆる“食いしん坊”四名の食?望が一致し、量は少な目で品数は多くというシェフ泣かせの、いや、シェフの腕が存分に振るえるオーダーとなった。

DSCF1908
当夜のお薦めメニューです

下の写真を見ると、年甲斐もなくまぁチョコチョコとこまめに頼んだものだと大いに頬を赤らめる次第である。

野菜のマリネ
野菜のマリネ
広島湾生カキ・大黒神
広島湾生カキ・大黒神
ヤリイカのバジル和え
ヤリイカのバジル和え、わたしが食べたいと言ったのでした・・・

シェフの本木さんが腕をふるってくれた料理を青木さんの軽妙洒脱なサーブでいただく。 

当店ご自慢の玉ねぎのムース
5wattsご自慢の玉ねぎのムース
鯛のポアレ
鯛のポアレ
フォアグラのポアレ
フォアグラのポアレ

おいしい料理に心許すご夫婦との楽しい語らいの時間はあっという間に過ぎ去る。

タケノコのリゾット
タケノコのリゾット
おいしいグラスワイン
おいしいグラスワイン・・・、ちょっと呑んじゃいましたねぇ・・・
デザート
デザート

そしてすっかり暗くなった外へ出ると、“5WATTS”の橙色の灯りが雨で冷えた舗道をそっと温めるかのように洩れ出ていたのに気づいた。

温もりのお店です
外に洩れ出す5wattsの温もり

青木さんと本木さんお二人が外までわざわざお見送りに出てくれたが、お料理への感謝や来店へのお礼の言葉などが飛び交うなか賑々しい退場となった。

青木さん(左)と本木さん
青木さん(左)と本木さん

そこでのお二人の心安らぐ言葉を聴いているうちに、“5WATTS”とはお二人が二本の蝋燭となってお客様に温もりある灯りを届けてくれる心温まる場所のことなのだと分かったのである。


遠い幼児の頃、夜中に目を覚ました時、真っ暗な闇のなかにボ〜ッと光るニ燭光を認め、傍らに添い寝する母の姿に安心し、またヒーローとなって冒険活劇の世界で活躍する夢の世界へと入っていった・・・、そう、あの頃のようなどこか甘酸っぱくも、あったかな蒲団のなかの空間のような・・・

細川奈津子さんのヴァイオリン・リサイタルの夜を愉しみました

細川奈津子リサイタル
細川奈津子ヴァイオリンリサイタル・パンフレット表紙

奈津ちゃんに初めて会ったのは約3年前の2009826日である。山中恵介氏(ピアニスト山中和子氏の御主人)の信州黒姫のお宅での恒例のホームコンサートの場であった。


2009年のホームコンサートでの細川奈津子さん
2009年8月の信州黒姫のホームコンサートでの奈津ちゃん

当時、ウィーン国立音楽大学に留学中の奈津ちゃんが夏休みで地元である黒姫に帰郷しており、山中和子氏の誘いで、ホームコンサートに顔を出してくれたのである。


その時は、“タイスの瞑想曲”や浅田真央ちゃんのスケーティング曲であまりにも有名となった“チャルダッシュ”が聴けてうれしかったのと同時に、まだ愛らしい女の子、学生さんという印象を受けたものである。


そして昨年の8月、4年間留学していたウィーン国立音楽大学の第二ディプロマを最高位の成績で取得し帰国したばかりの奈津ちゃんに、また黒姫のホームコンサートで会うこととなった。


黒姫ホームコンサートでの細川奈津子氏
2011年8月の黒姫での圧巻のチゴイネルワイゼン

その夜、彼女の激情的なチゴイネルワイゼンを聴いた時、ほんの二年前、ここに立っていたあの愛らしい女の子とはまったく別人の、ひとりの音楽家がわたしの目の前で演奏してくれていると震えるような感動を味わったのである。まさに、夏の夜の夢を見せてくれた奈津ちゃんであった。


ディナー会場での即興演奏
黒姫ではディナー後にこうして自由な演奏をやってくれるのが楽しみ・・・

それから約1年。今回は東京の代々木上原の“MUSICASA(ムジカーザ)”(渋谷区西原3丁目33)で、“細川奈津子ヴァイオリンリサイタル”が開催された。こじんまりとしたホールであるが、音楽をこよなく愛する人々が集うのには格好の肩の凝らぬお洒落な空間である。


代々木上原・ムジカーザ
”MUSICASA(ムジカーサ・音楽の家の意)”

演目は以下の通りであった。


当夜の演目
当夜の演目

モーツアルトとブラームスの曲目が終ったところで、休憩となった。その20分間の休憩時間に聴衆には簡単なオードブルとワインが供される。以前の山中和子さん(今回のピアノ伴奏)のコンサートでもワインがふるまわれたが、この形式はクラシックが肩肘張った小難しい教養といったものをひけらかす小道具などではなく、人間の日常生活の潤いのためにあることを改めて認識させるもので、素晴らしいアイデアであると前回、感心したところであった。


ワインお変わり自由
個々人がワインをカウンターに取りにゆきます
休憩時間にワインとオードブル
写真を撮るため、ちょっと椅子の上に置きました。もちろん、立って歓談しながら呑むんですよ

その愉しい休憩時間をおいしいワイン(二杯もお代わりしてしまったなぁ・・・)と、仲間との楽しい語らいで過ごし、リサイタルは後半の部へと入っていった。


ムジカーザ
こじんまりした空間です。私の席から撮りました

そして最初のクライスラーの小品“前奏曲とアレグロ”で、わたしはまたまた奈津ちゃん、いや、もう細川奈津子氏と呼ばねばならぬ、成長著しい音楽家の勢いというものを感じ、また感動したのである。


細川奈津子・山中和子略歴
細川奈津子・山中和子氏のプロフィール

クライスラーの曲もそうだが、最後の曲となったラフマニノフの“二つのサロン風小品作品6”においても、あの童女のような愛らしい顔とは正反対の内面に蔵する迸る情感を見事に空間に解き放つ見事な演奏であった。


細川奈津子さん
終演後に出口でお客様を笑顔で送ってくれました

内面に秘する激情を弾きこなす細川奈津子、今後のさらなる成長が楽しみである。

 

 

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(善五郎の滝)

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(番所大滝・ばんどころおおたき)
新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(三本滝・さんぼんだき)

最後に乗鞍三滝の“善五郎の滝”を訪ねた。アプローチの難易度では三滝のなかでここが一番楽であった。


善五郎の滝
善五郎の滝

また、その周遊コースに “牛留池(うしとめいけ)”という“逆さ乗鞍”を映すミラーレークもあり、観光スポットとしての充実度は高い。

牛留池に映る逆さ乗鞍岳
牛留池に映る”逆さ乗鞍岳”

鈴蘭橋の(下から来ると)手前に大きな駐車場があり、その駐車場の出入口のすぐ脇に“善五郎の滝入口”のポールが見える。ちょっと入路が分かりづらいが、大丈夫。

鈴蘭橋
善五郎の滝入口の案内
鈴蘭橋と駐車場の中ほど、道路より少し入り込んだ所に立っている

善五郎の滝への経路には白樺が多く、この季節はムラサキヤシオが咲き始めて、白と紫とそして新緑のコントラストが殊のほか素晴らしい。

白樺に囲まれた経路です
白樺が多いアプローチです
白樺とムラサキヤシオ
白樺とムラサキヤシオと新緑のコントラスト

この景勝を愛でる余裕があったのも、ほかの二つの滝(番所大滝・三本滝)と異なり、山道といっても一部を除き起伏は激しくなく、ゆったりとしたハイキング気分で歩けたからである。

ムラサキヤシオ
いま咲き始めたところのムラサキヤシオ

駐車場から7、8分で善五郎の滝を上から見下ろせる滝見台へ到着。


滝見台へはすぐ到着

雪解け水が豪快に落下する滝口の上方に目を転ずるとそこには冠雪の乗鞍岳が見える。

善五郎の滝と乗鞍岳
滝見台から善五郎滝と乗鞍岳を見る
滝口
滝見台からは雪解け水が落下する滝口がよく見える

まさに絶景ポイントである。

ムラサキヤシオと乗鞍岳
滝見台のちょっと上からムラサキヤシオと乗鞍岳を撮りましたが・・・ちょっとボケてますね・・・

そこから途中、急な下りがあるものの、危ない個所はないので足が少々弱った方、杖をついて歩ける人であれば、余裕で“善五郎の滝”まで行き着くことが出来る。

新緑の中、善五郎の滝
新緑のなか善五郎の滝

最後に一番厳しい下り階段があるが、手すりも整備された安定した階段なので、安心である。かなりご高齢の方も付き添いの方と一緒に見学に来られていた。

きつい下り坂には手すりが
最後の急な階段も手すりがあり、安全です
突き当りの下り坂を下り、この橋を渡ってきました
正面右に小さく見えるのが上の急な階段です。この木橋を渡ってきます

その急な階段を下り、木橋を渡ると遠くにもう一つの木橋が見える。その橋の上から“善五郎の滝”を正面に見上げる形となる。

先の橋が善五郎の滝の真下
木橋から最後の木橋を見る・この淵が昔の滝壺である

その最後の木橋手前のエメラルド色した淵が後ほど知ることになる数百年前の滝壺である。


その淵からの清流を眺めながら岩壁沿いに歩くと、瀑布の轟音が近づいて来る。左手の山肌が迫り出しているので、最後の急な階段を十段ほど昇って、木橋に行こうとした時、すぎ左眼前に“善五郎の滝”の全貌が現出し、その迫力に息を呑むことになる。

幅10m落差30mの善五郎の滝
幅10m・落差30mの豪快な善五郎の滝

その自然が造り出した演出は見事というしかなく、人の力で出来ることなど限りがあると、素直に納得させられる瞬間である。

DSCF1439
橋の上から、素晴らしい自然の造形美

ここは乗鞍三滝のなかでももっとも水飛沫が激しく、風の向きに拠って橋の上でも細かい飛沫が霧のように降って来た。


わたしは橋を渡り案内板が設置してある最も低くて滝に近い滝見台へ下りて行った。

案内板のある一番下の滝見台
案内板のある下の滝見台

床はびっしょり・・・

床がびっしょりと濡れていた。まさに天気雨が降っているような様相である。防水カメラでもないのに、必死でシャッターに“善五郎の滝”をおさめたのが下の一枚である。

私もカメラもびしょ濡れ
水飛沫がすごかったです

また、そこの案内板にこの滝は古来、後退を続けているのだと書いてあった。最後の木橋の下流側の淵が昔の滝壺なのだという。現在の滝壺は百数十メートルも後退していることになる。

滝壺
現在の滝壺
現在の滝壺から橋下を過ぎ昔の滝壺へ
百数十メートル下流にある昔の滝壺
昔の滝壺へなだれ込む
いまも昔の滝壺へ雪解け水が落ち込んでゆく

そう思ってもう一度“善五郎の滝”に目を転じると、滝壺のちょっと上部に岩肌の突出した部分がある。30m上の滝口から猛烈な勢いで滝水が落ち、そこへぶつかり、豪快な瀑布の様相を造り出している。

落下の水勢で岩が削り取られてゆく
出っ張った岩肌を滝水が削り取ってゆく・・・

しかし、それは同時にその岩肌を削ぎ落としてということでもあり、滝口の岩盤の研磨と相俟って、何百年、何千年という気の遠くなる年月を経て、新たな“善五郎の滝”の景観を造り続けていることを知った。


大自然の桁外れな力を思い知らされた時間であった。

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(三本滝・さんぼんだき)

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(番所大滝・ばんどころおおたき)
新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(善五郎の滝)

番所(ばんどころ)大滝を観た翌日(5/30)、小大野(こおおの)川の一番上流に位置する三本滝を訪ねた。

何とか三本滝を一望?に
三本滝

乗鞍三滝のなかで最も時間を要し(一般の人で片道25分)かつ木の根の這う細い下り道を歩かねばならず、足の悪いわたしには難易度が高く、体力のある午前中がふさわしいとの家内の読みによりそうした行程となった。

この三本滝案内板を目指して歩きました

その判断が結果的に“日本の滝百選”に選ばれた“三本滝”を心ゆくまで鑑賞する最高に贅沢な時間をわれわれにもたらしてくれた。


当日は午前930分には、 “三本滝レストハウス”(この時期まだ閉鎖中)前の駐車場に到着。標高1700mとの表示があったが、朝晩の冷え込みはまだまだ半端ではないのだろう、駐車場の隅に除雪した雪の残骸がまだ解けずに残っていた。

駐車場に除雪された雪が残る
駐車場にまだ残る除雪された雪

そして乗鞍の頂上、畳平へ向かう乗鞍エコーラインもこの三本滝バス停でまだ全面通行止めの状態であった。

エコーライン閉鎖中
これより先は通行止め
三本滝レストハウス
三本滝レストハウス

レストハウスの右側壁沿いにちょっと進むと、そこに三本滝へのアプローチ路らしきものが見つかった。しかしその入路口には手毬大の石ころが多数転がり、熊笹が両脇に生い茂るなど、案内板もないためこの道が三本滝へゆく径なのか不安になる。

三本滝ルートの入口
ここが分かりにくい三本滝への入路

実際に一組の御夫婦がやはり「あっちだ」、「いやこっちだ」と言いながらレストハウス周辺を巡っていた。その後、このご夫婦とは山道ですれ違うこともなく、三本滝で合流することもなかった。結局、あのご夫婦は三本滝を見ることを諦めてしまったのだろうかとちょっと気の毒な気がした。


一方、われわれは“女将おすすめ・のりくら散策ガイド”の小冊子を手に、疑心暗鬼ながらもスキー場の林間コースのような狭い山坂を下り始めた。

三本滝へのルート入口
この坂を下ります

途中で手書きの“三本滝⇒”なる案内板を見つけひと安心したのも束の間、その下に書かれている文章に“この先残雪(30cm程度)があります。雪解け(5月下旬頃)までトレッキングシューズでも、歩行が困難です”とあった。


曲がり角に矢印標識が

ここが思案のしどころだが、行けるとこまで行っちまえ!というのが、わが夫婦の共通する性分。その標識から山道は一挙に幅を狭め、雪が解けている故か、昨夜の雨の故か泥道の表面はぬかるんでいる。

雪の残る三本滝への道
雪の残る三本滝への経路

わたしは残雪がそこかしこに見え隠れする下り道を杖を支えに慎重に歩を進めた。

往路はこの傾斜を下りました
往路はこの歩きづらい坂道を下ります(写真は復路のもの)

またどうしても引っ張り上げてもらわないと難しい段差があったり、グラグラと不安定な丸太橋などは家内に手を引いてもらわないと危険であり、健康であってくれた家内に心から感謝したところである。

厳しい個所もあります
厳しい難所もありました

そうこうしながら痺れた足を引きずり、息をあげて歩き続けていると、三本滝へ0.2kmという標識を見つけた。萎えた足の力が俄然、みなぎってくる。本当に人間って現金なものである。


地獄に仏・あと0.2kmの標識

そしてこれが最後の胸突き八丁なのだろう。眼前に山肌にへばりつくようにして急勾配の階段があった。手すりにすがりつき、最後の力を振り絞り、それを昇る。

急勾配の階段
この急勾配を手すりにすがって昇りました

すると、今度はしっかり揺れてくれるではないか、吊り橋が待っていたのである。


しっかり揺れる吊り橋

高所恐怖症のこのわたしがその難所の吊り橋を独りで渡り切る。下には小さな滝が轟音を轟かしている。

吊り橋の上から
吊り橋の上から清冽な滝と滝壺が見下ろせる

だが、あまりに清冽なその流れと滝壺へと一直線になだれ込んでゆく水勢に、高所恐怖症という劣性な感性は身を潜め、奔馬のように奔る透明な流水に融け込みたい、どこまでも一緒に転がってゆきたいというこれまで覚えたことのないAdventurous Spiritにとり憑かれたのである。

三本滝手前にも清冽な滝が
滝壺に真っ逆さまになだれ込む

この充実感・・・、昂揚感・・・!! もう三本滝は近いに違いない・・・。霊気とでもいうのだろうか、水の精にでも手招きされているような陶酔感である。


その危うい心の揺らめきを覚醒させたのもまた水の精なのだろうか・・・、滝壺に落ち込む水音であろう、わたしの耳朶を打ち、その響きはどんどん大きくなってゆく。まるで和太鼓が乱れ打ちに転じてゆくようなピッチで・・・

吊り橋の下にも小さな滝が
この吊り橋を渡り、坂を登った地点から写しました

水の精に操られたようにして吊り橋を無事渡り終えると、直ぐにまた急勾配の板敷きの坂があった。最後の力を振り絞り昇りきった。


目の前にぽかっと小さな平地が出現した。

わたしには難易度の高い最後の難所
平地といってもこの険しさ

水溜まりのできた小さな木橋を渡ると、その先に“三本滝”の案内板が見えた。

正面に三本滝の案内板が
水溜りの橋の突き当りに三本滝の案内板が

三本滝に到着である。慎重に足場を選びながらの行程であったが、35分ほどで到達した勘定になる。家内の助けもあり、捻挫や転ぶこともなく、上出来の部類といったところである。


そして転がり落ちて来たのだろう、そこここに点在する大石を右に左に避けながら、ゆっくりゆっくり瀑布の放つ轟音に向かい進んだ。

大きな石が転がっている
沢にも大きな石がゴロゴロ

視線を地べたから空へ向けて上げた。三筋の滝を認めた。一望できた。爽快である!!

何とか三本滝を一望?に
眼前に滝が見えた。手前に黒い沢の滝・真中に本沢の滝・左奥に糸のように無名沢の滝

三本滝は水源の異なる三筋の流れがこの個所で滝となって天空より落下し、ひとつに合流するという。

合流
本沢の滝に右手より黒い沢の滝が落ち込んで合流

その合流する最後の瞬間、それぞれ出自の異なる水流は自らのアイデンティティーを確かめるかのように、己だけが造り上げ得る姿を創り出し、滝口からダイブする。それほどに三本滝の姿は見事なまでにその趣きを異にしている。


そして各々が落ち込んでゆく滝壺から発される轟音は、三筋の水流が一緒になり混然となる寸前に己が生きて来た自身の証しを必死に誰かに伝えようと叫んでいるようにも聞こえたのである。

霊気を感じる空間
霊気を感じさせる無意識界・・・

自然の造り出す無意識界の景観であるが、客体であるわたしには彼らの強い意思を感じさせる命の為せる表現に思えたのである。


その三本滝。

向かって右手が小大野川の支流・黒い沢にかかる“黒い沢の滝”である。

黒い沢の滝
豪快に流れ落ちてくる”黒い沢の滝”

直下に落下するのではなく、幅広い急勾配の黒い岩盤の上を豊富な水がまさに石奔(いわばし)っている。

石奔る
まさに石奔(いわばし)る

その砕け、跳ね、舞い落ちて来る様は、真下から眺めていると奔放な野生馬が今にも跳びかかってくるようで、その生命力には圧倒される。


真ん中で豪快に落下している滝が、小大野川本流を流れ落ちる“本沢の滝”である。

本沢の滝
本沢の滝

少し奥まった滝口から一直線に落下する瀑布の様は潔く、痛快であり、見事である。

DSCF1073
一直線に滝壺に雪崩れ落ちる

そしてちょっと左手に白く糸を引くように楚々と流れ落ちているのが、無名沢にかかる“無名沢の滝”である。

無名沢の滝
もともと水量が少ない無名沢の滝

右側の二つの豪快な滝とは異なり、ただでさえ僅かな水量は滝壺に落ち込むまでに霧となって大気を潤している。わが身を削り、細い糸のようになり落下し、滝壺へ舞い降りる時には、消え入るような姿である。

DSCF1050

ただでさえ細い我が身を削り、大気という世界に水の精なる潤いをほどこし、ついには消え入るように小さな小さな滝壺へと身を沈めてゆく・・・

無名沢の滝
か細い流水が岩肌を落下してくる・まだ残雪がそこかしこに・・・

なにか、衆生を救うために祈ってくれている観音さまのように思えてきて、この“無名沢の滝”が殊のほか有難く、いとおしく感じられた。

絶景スポットを譲りました
絶景ポイントを後から到着した旅人に譲る

そして20分ほど三本滝という清浄なる空間を二人っきりで独占したところで、旅人たちがチラホラと辿り着いて来た。そこで頃はよしとこの清浄界を後にして帰路につくことにした。


帰りは足が慣れたせいもあるのか、30分弱でレストハウスまで辿り着いた。


ミヤマカタバミ

その道すがら高山の花や芽吹き始めた木々の新緑を愛で、ウグイスやコマドリなどの野鳥の囀りに耳を傾け、心満ちた道行きを愉しんだ。

可憐な花々に失礼にならないように、帰宅後、”山と渓谷社”の”高山の花”、”山の花”、”野の花”を買い求めたのでこれからもう少し勉強しないといえませんね。色々な花が咲いているのだが、名前が分からないのが多くて・・・

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(番所大滝・ばんどころおおたき)

新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(三本滝・さんぼんだき)
新緑の乗鞍高原温泉郷を巡る=乗鞍三滝(善五郎の滝)

「乗鞍高原のミズバショウが見たい」との家内の言で、蓼科の新緑を堪能したついでに、乗鞍温泉まで足を延ばした。

松本ICから国道158線で乗鞍高原へは約1時間・上高地との分岐点

わたしは初めての訪問だったが、家内は独身時代に“お花畑”(乗鞍岳畳平:標高2700m)に行ったことがあるという。ただその時は花より団子の“お年”だったので、お花畑の美しさより夏というのにあまりの寒さに高山植物の鑑賞もそこそこに“下界の温かい団子を喰うため(これは私の想像だが・・・)”下山したのだそうだ。公平性の観点からこの件についての家内の言い分を一応記しておくと、「当日は霧がかかっており、視界不良で気温も低かった」とのことだが、数十年も前のこととて事の真偽をわざわざ確かめる気はこちらにはない。でも・・・やはり、団子の口だとわたしは確信して疑わない。


そして山頂・畳平までの乗鞍エコーラインは11月から6月末までは閉鎖中で、長野県側から畳平には登れぬため(岐阜県側からは515日より畳平への路線が開通)、今回はミズバショウを観ようとなった次第。


ところが、乗鞍訪問の二日ほど前に観光協会にミズバショウの開花状況を問い合わせたところ、「盛りはゴールデンウィークの頃で、終わってしまった」とのこと。

宿は予約してしまった。行くしかないということで、言い出しっぺの家内が観光案内の資料に目を通し、入念に見どころを再選定、観光ルートを作り上げたのが、乗鞍三滝巡りであった。そしてこの名勝たる三滝全てが梓川の支流である“小大野(こおおの)川”と呼ばれる奇妙な名前の川に形成されている。

初日、われわれがまず向かったのが、その一番下流にある“番所(ばんどころ)大滝”(標高1240m)である。大滝と謳われているように落差は40m、幅も11mの規模を誇り、乗鞍三滝のなかで一番大きな滝である。この上流に残る二つの“善五郎の滝”(標高1520m)と“三本滝”(標高1810m)があり、そこは翌日、訪れた。

番所大滝案内板
番所大滝の案内板

番所大滝を見るには、車を止めた駐車場から少し山道を下ったところで道が左右に分かれている。左手へ下ってゆくと滝上展望台へ、右手の道を下ると滝を見あげる展望台へと続くのである。

そこでわれわれは最初に番所大滝の滝口、つまり滝の頂上を見下ろす“滝上展望台”へ向かうことにした。下り初めてすぐにその小さな滝上展望台はあった。

番所大滝滝口
番所大滝の滝口はこんなに狭くて小さい

新緑の木立で視界が遮られ、一望のもとに滝水の落ちる瞬間を観ることは難しかったが、水勢があり大きな水音を轟かすわりに、その水量は透けて見える岩畳の川底をうすく舐めるように流れる程度であった。こんな水量でどれほどの滝になるのかと思ったのは正直な感想であった。

番所大滝滝口
水勢はあるが、水量は川底の岩肌が透けて見える程度

そこから夢見橋を渡り、その渓谷の景観を楽しんだ。そのまましばらく行くと千間淵(せんげんふち)にゆくが、橋を渡ってちょっと行った先でわれわれはUターンした。先ほどの分岐点へ戻り、番所大滝を下の方から見る展望台へ向かうためである。

小大野川に架かる夢見橋
小大野川に架かる夢見橋・これを渡って先に行くと千間淵

分岐点から展望台への径はかなり急勾配の下り坂であった。

途中、こんな足場も・・・、ちょっと怖い・・・

ただ足が少々不自由なわたしでも手すりが整備されているので、ゆっくりと足元を確認しながら下りてゆけば問題はない行程である。

展望台へ九十九折りの急坂が
真っ逆さまに落ち込むような急坂、でもしっかり手すりが・・・、助かった・・・

足元に注意しながら途中の岩肌を観察すると、昔地学で習った”板状摂理”が見事に見える。太古の昔からの自然の営みを理屈なしに納得できる造形である。

大滝への道に続く板状摂理
急坂で足元には注意しながら、板状摂理を見てみよう
くっきりと板状に摂理が見える

分岐点からわたしの足で10分程度の距離であったか、滝の中腹を眺める位置にある屋根付き展望台へと到着した。

水しぶきがただよう展望台
誰もいない展望台

あたりには細かい霧のようになって水飛沫が漂っていた。まさにマイナスイオン100%の清浄世界である。

目の前には落差40mの番所大滝があった。

番所大滝
豪快な落差40mの番所大滝

清冽な雪解け水が雪崩のようにして滝壺にど〜っと落ち込むその様子は、渓谷に轟く大音響と相俟って迫力満点であった。

雪解け水がなだれ込む滝壺
轟音を発する滝壺

滝口の勢いはあったものの、あの僅かに見えた水量がどうしてこれほどの大滝に変身するのか、自然が造り出す景観の魔術にわたしはただ唸り声を絞り出すことしかできなかった。

滝口を見上げる
滝口を見上げると、あの水量がと思うほどに、豊かな雪解け水が落ちてくる

大滝が轟かす大音響のほかには何の音もしない・・・。そのことがこの渓谷の静寂を逆に見事に際立たせている。

新緑を裂きなだれ落ちる大滝
新緑を裂き雪解け水が豪快になだれ落ちる・・・ほかに何の音もない・・

そしてその自然が生み出す“静寂の時間”は、社会と呼ばれる猥雑な空間で呼吸せざるを得ないわたしに、人間という生物の存在がいかに小さく、その意思が何ほどにもないことを、否も応もなく悟らせたのである。

お手軽な手打ちそば“一八(ひとは)”=蓼科グルメ25

諏訪郡原村15469-1

電話:0266-79-6163


手打ちそば“一八(ひとは)”中央自動車道・諏訪南ICを下りて原村方向へ左に曲がってほんの1分ほどの県道425号線沿い右手にある。レストラン・ペチカの手前と言った方が分かりやすいかもしれない。


レストラン・ペチカ
隣のレストラン・ペチカ

“一八(ひとは)”はプレハブ造りの掘っ立て小屋のような小さな蕎麦屋である。


県道425号線沿いの看板
県道425号線沿いの看板

その店構え?が蓼科というリゾート地の名前にそぐわぬこともあり、以前から気になっていた蕎麦屋ではあった。そして原村のパンフレットか何かで目にしていたこともあって、今回、1時過ぎにインターを下り、お腹がすいていたため、この「一八」で、“一か八か”食べて行こうということになった。その時、“一八”という店名がまさか、こんな“ひとは”なんて洒落た読み方をするとはつゆ知りませんでした。


手打ちそば・一八(ひとは)
何とも・・・飾らぬ・・・店構え

店の前の空き地に駐車したが、なるほど掘っ立て小屋である。写真のアングルをどう変えようが、やはり正真正銘の掘っ立て小屋である。


店内・テーブル席
テーブル席

ところが店内へ入って見ると、テーブル席が3つと畳席が2つで思ったよりは意外と広い、と言っても5組でいっぱいではあるが・・・。お店はその日、女性二人がスペースの小さなカウンター内に入っていたが、蕎麦打ちをどこでやっているのかは定かではなかった。


畳席
畳席

何はともあれ、わたしも家内も“霧ヶ峰二八”のもり(840円)を頼んだ。


二八もり蕎麦
二八の盛り

それと、“季節が香る山菜の天ぷら(780円)”を一人前頼むことにした。


上品な蕎麦です
上品な蕎麦である

蕎麦は細く、清冽な八ヶ岳山麓の清水でしめられた蕎麦は細く、コシもあり上品な味である。若い人には量が少なく物足りないと思われるが、われわれにはちょうど良い盛りであった。


山菜天ぷら
山菜の天ぷら

山菜の天ぷらは、こしあぶら・タラの芽・山ウドの三種であったが、揚げたてのパリパリでこれもおいしかった。


気の張らぬ、そもそも蕎麦屋で気の張る所の方がおかしいのだが・・・、諏訪南ICを下りて小腹がすいた時など、この掘っ立て小屋の“一か八か”じゃなくて“一八(ひとは)”は、思いっ切り手軽でもって、旅人がちょっと立ち寄り腹を整えるのにはちょうど適した食事処であると、感じたところである。

 

 

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