美山荘の蛍狩り(2006.7.5)
京料理・「粟田(あわた)山荘」で「蛍の夕べ」を愉しむ(2011.7.1)
“辰野・ほたる祭り”に行って来た=松尾峡・ほたる童謡公園(2012.7.2)
八王子市南浅川町3426(電話:042−661-0739)
東京でホタル狩りができる。それも自然の懐に抱かれて・・・。ちょっと、書き過ぎだが、ミシュランの最高の三ツ星に選ばれている高尾山の山麓に、蛍狩りを愉しめる「うかい鳥山」はある。
今年も蛍狩りの季節が近づいてきた。昨年、家族で行ってみたので、ご紹介する。
「うかい鳥山」は高尾山山麓の自然を活かし、その山気のオゾン豊富な六千坪におよぶ場所に茅葺屋根の合掌造りの古民家を点在させている。
朱塗りの橋を渡り離れの古民家へ
窓外の古民家
和室にセットされたテーブル席
炉に熾った炭火
料理は和室のテーブル席で地鶏の炭火焼をいただく。テーブルに炉が切ってあり、仲居さんが赫々と焼けた炭を運んできて、灰の上に並べて会食が始まる。串刺しの大振りの地鶏肉から脂が滴り落ち、香ばしい匂いが部屋に満ちる。食事は地鶏の自在焼コースを頼んだ。
脂がこれからしみ出てくる
佐久鯉の洗い
川魚の塩焼き
青竹に入れられた生酒、おいしかった・・・
黄昏が近づきお腹もいっぱいに
食事が一段落する八時ころ、各建屋の電気が一斉に消される。漆黒の闇が奥高尾の深山を実感させる。その静寂の中に各建屋の住人が息をひそめる気配を感じる。
左上に蛍の飛行線が・・・
拡大して下さい。蛍火が枝の上に見えます
真っ暗な闇にホタルの灯りを見極めようと、息をつめると、しばらくして、ボ〜ッと小さな灯りが点滅しはじめる。
「あっ!」
「あそこ!」
「わ〜っ!」
と、抑えてはいるが、興奮気味の声が闇の奥から聴こえてくる。ホタルが山中に一斉に放たれたのだ。枝にとどまり点滅する蛍火、ゆるやかに光の飛行線を描いて見せる蛍、開け放った窓のすぐ傍まで近づいてくる人懐っこいホタル・・・。
人工的に放たれた蛍とはいえ、渓流の流れの音を聴き、大樹の陰から現れ出でては夜空の闇に消えてゆくホタルたち・・・。それはそれで、時間が止まったような錯覚に陥った。
四年前に京都の花背で自然のなかの蛍狩りを経験していたが、都会近くでこうした大自然の中でホタルの悠々と遊ぶ様を目にできるのは、それはそれで、意味のあることと感じたし、ひと時の憩いを味わえたと満足した。
蛍袋の花弁に入る蛍(京都・美山荘にて)
京都の花脊の渓流で寄り添う蛍火
今年は「ほたる狩り」が6月3日〜7月13日、「ほたる鑑賞の夕べ」が7月14日〜8月15日となっている。詳しくは「うかい鳥山のHP」でどうぞ。